文献詳細
文献概要
今月の主題 診断された微小胃癌 総説
微小胃癌の肉眼診断
著者: 高木国夫1
所属機関: 1癌研究会附属病院外科
ページ範囲:P.939 - P.949
文献購入ページに移動1.はじめに
胃疾患に対する各種診断の驚異的進歩はここ数年間めざましく,早期胃癌として診断する病変が漸次小さいものを対象とするようになったのは自然のなりゆきであった.とくに1966年の日本内視鏡学会秋季大会では,直径2cm以下の表面型早期胃癌を微細病変と呼んで,この微細病変の診断およびその限界がとりあげられ検討された.さらに1969年の第7回日本内視鏡学会秋季大会では,1cm以下の小胃癌(微小胃癌)を対象として検討を加えるまでにいたり,微細病変として直径2cm以下のものから,ついに1cm以下の小病変の診断となって,診断の限界も肉眼的にぎりぎりの線まで到達して早期胃癌の診断進歩のすさまじさを物語っている.2cm以下の微細病変としてとりあつかった胃癌の診断にあたっても,肉眼的単位の診断学は良性,悪性の質的診断が困難であることは,すでに発表したが8),肉眼的診断として病変の存在診断に,細胞診,胃生検による組織学的,質的診断が加わって存在診断と質的診断の両者を必要としてきている.
直径1cm以下の小胃癌の診断にあたって,その病変の存在を肉眼的に検討して,その大きさの診断の限界について言及してみたい.
胃疾患に対する各種診断の驚異的進歩はここ数年間めざましく,早期胃癌として診断する病変が漸次小さいものを対象とするようになったのは自然のなりゆきであった.とくに1966年の日本内視鏡学会秋季大会では,直径2cm以下の表面型早期胃癌を微細病変と呼んで,この微細病変の診断およびその限界がとりあげられ検討された.さらに1969年の第7回日本内視鏡学会秋季大会では,1cm以下の小胃癌(微小胃癌)を対象として検討を加えるまでにいたり,微細病変として直径2cm以下のものから,ついに1cm以下の小病変の診断となって,診断の限界も肉眼的にぎりぎりの線まで到達して早期胃癌の診断進歩のすさまじさを物語っている.2cm以下の微細病変としてとりあつかった胃癌の診断にあたっても,肉眼的単位の診断学は良性,悪性の質的診断が困難であることは,すでに発表したが8),肉眼的診断として病変の存在診断に,細胞診,胃生検による組織学的,質的診断が加わって存在診断と質的診断の両者を必要としてきている.
直径1cm以下の小胃癌の診断にあたって,その病変の存在を肉眼的に検討して,その大きさの診断の限界について言及してみたい.
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