胃と腸50巻1号

2015年01月発行

今月の主題 消化管早期癌診断学の時代変遷─50年の歩みと展望

主題

早期胃癌50年の歩みと展望─「胃と腸」論文より

著者： 芳野純治¹ 乾和郎¹ 若林貴夫¹ 片野義明¹ 小林隆¹ 三好広尚¹ 小坂俊仁¹ 友松雄一郎¹ 山本智支¹ 松浦弘尚¹ 成田賢生¹ 鳥井淑敬¹ 森智子¹ 細川千佳生¹ 黒川雄太¹ 安江祐二¹

所属機関： ¹藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院消化器内科

ページ範囲：P.27 - P.38

文献概要

要旨●本誌における早期胃癌に対する診断の歩みを以下の事項について簡潔に述べた．すなわち，胃癌のスクリーニング法はX線検査から内視鏡検査に移行したが，内視鏡検査はがん検診では死亡率減少効果という点で現在のところ有用性は明らかにされていない．深達度診断はM・SMの鑑別から，SM1の診断が求められるようになったが，現在のところ困難である．範囲診断では従来の検査に加えて画像強調内視鏡が用いられるようになりより詳細な画像が得られるようになったが，病理学的な対比が困難なため拡大所見の解析が十分に行えないが，今後の進歩が期待される．早期胃癌はより小さい病変，微細な所見の病変が増加しており，さらに，Helicobacter pylori感染が減少しており，癌の所見の変化に注目する必要がある．

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