icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻10号

2015年09月発行

文献概要

今月の主題 狭窄を来す大腸疾患─診断のプロセスを含めて 主題

狭窄を来す大腸疾患─診断のプロセスを含めた総合画像診断の立場から:上皮性腫瘍,非上皮性腫瘍,炎症性疾患,それぞれに適した検査法の組み合わせ

著者: 清水誠治1 横溝千尋1 富岡秀夫1 福田亘1 上島浩一1 石田英和2

所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科 2大阪鉄道病院病理部

ページ範囲:P.1255 - P.1266

文献購入ページに移動
要旨●今日では大腸疾患のほとんどが内視鏡を用いて診断されているが,狭窄性病変の診断は例外で,他の画像診断法を活用して診断する必要がある.特に,腸管外に主座を有する病変の評価にはCT検査やMRI検査が,腸管自体の変化を捉えるには注腸X線造影検査が有用である.狭窄部にみられる所見は,(1)隆起を伴う狭窄,(2)潰瘍を伴う狭窄,(3)びらんを伴う狭窄,(4)これらがみられない狭窄に大別されるが,(4)の診断が最も難しい.本稿ではそれぞれの所見に対応する疾患の特徴とともに,鑑別の要点について述べた.

参考文献

1)清水誠治,渡邉元樹,富岡秀夫,他.炎症性腸疾患と鑑別困難な感染性腸炎の診断と経過.胃と腸 41:951-958, 2006
2)大橋暁,丹羽康正,宮原良二,他.大腸悪性リンパ腫の臨床的特徴と画像診断.胃と腸 41:315-322, 2006
3)小林広幸,渕上忠彦,堺勇二,他.転移性大腸癌の形態学的特徴.胃と腸 38:1815-1830, 2003
4)上遠野由紀,宮田完志,竹田英司,他.びまん性にS状結腸狭窄を来たした子宮放線菌症の1例.胃と腸 33:1173-1183, 1998
5)多田素久,田口忠男,野瀬晴彦,他.子宮内避妊具と注腸所見よりほぼ確診を得た骨盤放線菌症の1例.胃と腸 36:1327-1332, 2001
6)樫村弘隆,樫村好夫,池上雅博,他.併存する炎症性ポリープの消長を観察しえた膵炎による大腸狭窄の1例.胃と腸 46:327-335, 2011
7)平川克哉,飯田三雄,松本主之,他.4型大腸癌の臨床病理学的特徴とX線・内視鏡診断.胃と腸 37:152-164, 2002
8)吉井新二,藤田昌宏,佐藤利宏,他.びまん浸潤型を呈した直腸分化型腺癌の1例.胃と腸 43:1543-1550, 2008
9)石川勉,縄野繁,水口安則,他.転移性大腸癌の形態診断─X線像の解析を中心に.胃と腸 23:617-630, 1988
10)服部信幸,芳野純治,乾和郎,他.乳癌が大腸へ転移した1例.胃と腸 37:199-203, 2002
11)宗本義則,海崎泰治,林田有一,他.集簇性の乳頭状隆起を呈した腸管子宮内膜症の1例.胃と腸 40:239-244, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?