文献詳細
今月の主題 狭窄を来す大腸疾患─診断のプロセスを含めて
主題
症例2
著者: 大津健聖1 松井敏幸1 金光高雄1 久部高司1 平井郁仁1 今村健太郎2 池田圭祐2 岩下明德2 松嶋祐3 櫻井俊弘3
所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科 2福岡大学筑紫病院病理部 3芦屋中央病院消化器科
ページ範囲:P.1279 - P.1283
文献概要
患 者:80歳代,女性.
主 訴:腹痛,食思不振.
既往歴:十二指腸潰瘍,虫垂切除術,高血圧.
内服歴:1983年より健康増進目的に野草(山梔子,ウコン)を内服していた.
現病歴:2007年8月ごろより1日3行の軟便や下痢,時に右腹痛を自覚していた.
2008年2月中旬に大腸検査を施行し,腸間膜静脈硬化症と診断された.原因物質として,クチナシの実(山梔子)が考えられたため,生薬(山梔子)の内服中止を指示した.2012年6月中旬,食思不振と腹部膨満感を自覚し,外来を再診した.血液検査で,炎症反応上昇を認めた.主治医の指示に従わず,初診後から継続して山梔子を内服していることが判明した.腸間膜静脈硬化症の増悪を疑い,精査加療目的に入院加療となる.
身体所見:身長144.6cm,体重41.5kg.血圧116/70mmHg,脈拍60回/min・整.眼球結膜は黄疸なし.眼瞼結膜は貧血なし.胸部は心音・呼吸音に異常なし.腹部は平坦,軟,下腹部に軽度圧痛あり.
入院時検査所見:Table 1に示す.
参考文献
掲載誌情報