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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻11号

2015年10月発行

文献概要

今月の主題 血管炎による消化管病変 主題症例

小腸病変の診断にカプセル内視鏡検査が有用であった好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Churg-Strauss症候群)の1例

著者: 濱田匠平1 永松諒介1 吉村大輔1 仁保宏二郎1 岩尾梨沙1 水谷孝弘1 落合利彰1 井上久子2 中島明彦3 加藤誠也3

所属機関: 1済生会福岡総合病院消化器内科 2済生会福岡総合病院膠原病内科 3済生会福岡総合病院病理診断科

ページ範囲:P.1420 - P.1424

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要旨●患者は63歳,女性.10年前に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症〔Churg-Strauss症候群(CSS)〕に対し加療歴がある.腹痛,下痢を主訴に来院した.上下部内視鏡検査,腹部造影CT検査では腹痛の原因を指摘できなかったが,CSSの小腸病変を疑い小腸カプセル内視鏡検査を施行したところ,上部空腸を中心に全周性に境界明瞭な辺縁発赤を伴う潰瘍とびらんの多発を認め,腹痛の原因と思われた.プレドニゾロンの用量を50mg/dayに変更することで腹痛は速やかに軽快し,小腸カプセル内視鏡検査がCSSの消化管病変の診断に大変有用であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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