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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻12号

2015年11月発行

文献概要

今月の主題 胃底腺型胃癌 主題

胃底腺型胃癌の臨床的特徴─内視鏡所見を中心に

著者: 大原秀一1 北川靖1 加藤勝章2 齋藤晃弘1 半田朋子1 楠瀬寛顕1 小島康弘1 白木学1 祢津寧子1 清水貴文1 斎藤紘樹1 大原祐樹1 仲程純3 阿見麗子4 濱田史朗1 岩間憲行5

所属機関: 1東北労災病院消化器内科 2宮城県対がん協会がん検診センター 3浜松労災病院消化器内科 4東北大学病院消化器内科 5東北労災病院病理診断科

ページ範囲:P.1507 - P.1520

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要旨●胃底腺型胃癌25例,27病変の臨床像と内視鏡像を検討した.性別は男性16例で,年齢は44歳〜84歳,平均65歳であった.H. pylori感染は58.3%で陰性で,病変発生部位は全例背景粘膜に萎縮のないU,M領域であった.肉眼型は0-IIa型が12病変,0-IIb型が9病変,0-IIc型が4病変であった.粘膜切除標本による病変径は1〜20mm,平均5.6mmと小病変が多かった.内視鏡的所見の特徴としては,白色調で表層血管の増生拡張が目立つ例が多く,健常表層粘膜の直下に腫瘍が存在する上皮下腫瘍と呼ぶべき形態を呈していた.

参考文献

1)Ueyama H, Yao T, Nakashima Y, et al. Gastric adenocarcinoma of fundic gland type(chief cell predominant type):proposal for a new entity of gastric adenocarcinoma. Am J Surg Pathol 34:609-619, 2010
2)八尾隆史,上山浩也,九嶋亮治,他.新しいタイプの胃癌─胃底腺型胃癌:臨床病理学的特徴と発育進展様式および悪性度.胃と腸 45:1192-1202, 2010
3)八幡晋輔,大内佐智子,塩澤寛子,他.Helicobacter pylori未感染粘膜に発生した胃底腺型胃癌の1例.Gastroenterol Endosc 56:1763-1769, 2014
4)内田苗利,和泉元喜,土谷一泉,他.胃底腺型胃癌の1例.Pro Dig Endosc 82:142-143, 2013
5)大廻あゆみ,宮崎慎一,森田照美,他.胃底腺型胃癌の1例.胃と腸 50:457-465, 2015
6)藤岡審,平川克哉,長末智寛,他.Helicobacter pylori陰性患者に認めた胃底腺型胃癌の1例.胃と腸 50:213-219, 2015
7)Ueyama H, Matsumoto K, Nagahara A, et al. Gastric adenocarcinoma of the fundic gland type(chief cell predominant type). Endoscopy 46:153-157, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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