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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻13号

2015年12月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

粘膜下腫瘤様の形態を呈した空腸Dieulafoy's lesionの1例

著者: 府川恭子12 二村聡3 松坂浩史1 西嶋健一1 中野佳余子1 山田隆史1 茶圓智人1 兼城三由紀1 中村典資1 千々岩芳春1 千々岩芳朗4 江口徹4 瀧澤延喜5 河野眞司6 中村和彦2

所属機関: 1原三信病院消化器科 2九州大学大学院病態制御内科学 3福岡大学医学部病理学講座 4原三信病院外科 5九州大学大学院形態機能病理学 6原三信病院病理診断科

ページ範囲:P.1745 - P.1751

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要旨●患者は20歳代,女性.下血と意識障害にて緊急入院,小腸カプセル内視鏡検査にて空腸病変からの出血を認めた.ゾンデ法小腸X線造影検査・小腸ダブルバルーン内視鏡検査にて頂部に粘膜欠損を伴う粘膜下腫瘤を認め,出血源と考えられた.腹腔鏡下小腸部分切除を施行し,詳細な病理組織学的検索結果から空腸Dieulafoy's lesionと診断した.近年,小腸検査の発達により小腸血管性病変の報告は増えてきているが,今回大量下血で発症し,粘膜下腫瘤様の形態を呈した空腸Dieulafoy's lesionを経験したので報告する.

参考文献

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3)鳥井淑敬,芳野純治,溝口良順.小腸Dieulafoy病変.胃と腸 46:508-510, 2011
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6)岩下明德,尾石樹泰,八尾隆史,他.腸管の血管性病変の病理学的鑑別診断.胃と腸 35:771-784, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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