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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻2号

2015年02月発行

今月の主題 食道のびらん・潰瘍性病変

主題

感染性食道炎の内視鏡診断─ウイルス感染症

著者: 藤原崇1 門馬久美子2 堀口慎一郎3 田畑拓久2 來間佐和子1 藤原純子2 比島恒和3 柳澤如樹4 菅沼明彦4 今村顕史4

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科 2がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科 3がん・感染症センター都立駒込病院病理科 4がん・感染症センター都立駒込病院感染症科

ページ範囲:P.175 - P.187

文献概要

要旨●2004年8月〜2014年10月までに施行した上部消化管内視鏡検査78,258件中,病理組織学的にサイトメガロウイルス感染症(CMV),単純ヘルペスウイルス感染症(HSV)と診断された食道病変,および,HIV感染症に見られる特発性食道潰瘍を検討対象とした.CMV食道病変は38例(0.05%),HSV食道炎は8例(0.01%),特発性食道潰瘍は5例(0.006%)であった.CMV食道病変の内視鏡像は,(1)打ち抜き潰瘍,(2)非打ち抜き型の浅いびらん・潰瘍性病変,(3)隆起主体の病変の3つに大別された.CMVやCandidaとの混合感染を除いた,HSV単独感染3例の内視鏡像は,辺縁を白濁した粘膜上皮で縁取られた比較的浅い潰瘍であった.特発性食道潰瘍の内視鏡像は,(1)打ち抜き潰瘍,(2)粘膜下腫瘍様の2つに分類された.いずれの病変も中下部食道に好発しており,多発する傾向があった.

参考文献

1)卜部祥明,上村雅之,谷口英明,他.健常成人に発症したサイトメガロウイルスによる肝炎合併上部消化管潰瘍の2例.日消誌 100:987-991,2003
2)金政秀俊,宮川昌巳,仁丹利行,他.健常成人に発症したヘルペス食道炎の1例.胃と腸 39:1436-1437,2004
3)藤原崇,門馬久美子,藤原純子,他.HIV感染症患者の上部消化管病変.胃と腸 46:240-253,2011
4)深在性真菌症のガイドライン作成委員会(編).深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2014.pp 215-221,協和企画,2014
5)藤原崇,門馬久美子,堀口慎一郎,他.感染性食道炎─ヘルペス食道炎,サイトメガロウイルス食道病変,食道カンジダ症.胃と腸 46:1213-1224,2011
6)根本哲生.【食道】正常と炎症性疾患.胃と腸 49:1906-1913,201

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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