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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻2号

2015年02月発行

今月の主題 食道のびらん・潰瘍性病変

主題症例

ダビガトラン起因性食道潰瘍

著者: 入月聡1 山川良一2 河内邦裕2 大山慎一2 岩田真弥2

所属機関: 1埼玉協同病院消化器内科 2下越病院消化器科

ページ範囲:P.189 - P.192

文献概要

要旨●ダビガトラン起因性食道潰瘍で特徴的な画像・経過を呈した2症例について報告する.[症例1]は78歳,男性で,上部消化管内視鏡検査(EGD)にて中部食道に円形の打ち抜き様潰瘍の集簇がみられた.[症例2]は80歳,男性で,EGDにて中部から下部食道に全周性に白色の膜様物がみられ,下部には浅い潰瘍がみられた.膜様物は過去の報告でも記載されており,ダビガトランによる食道潰瘍に特徴的な所見と考えられた.膜様物を採取して検討したところ,ダビガトランカプセルであることが疑われ,ダビガトラン起因性食道潰瘍はカプセルが食道に付着しやすいことにより発生していることが示唆された.

参考文献

1)Connolly SJ, Ezekowitz MD, Yusuf S, et al. Dabigatran versus warfarin in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med 361:1139-1151, 2009
2)Desai J, Granger CB, Weitz JI, et al. Novel oral anticoagulants in gastroenterology practice. Gastrointest Endosc 78:227-239, 2013
3)Okada M, Okada K. Exfoliative esophagitis and esophageal ulcer induced by dabigatran. Endoscopy 44:E23-24, 2012
4)葛西恭一,石田恵梨,小林由佳,他.ダビガトランによる薬剤性食道潰瘍の2例.Gastroenterol Endosc 55:257-261, 2013
5)泉川孝一,稲葉知己,水川翔,他.服薬指導が有用であったダビガトランによる薬剤性食道潰瘍の2例.日消誌 111: 1096-1104, 2014
6)神谷武,鹿野美千子,城卓志.食道 薬剤性食道潰瘍.日本臨牀 別冊消化管症候群(第2版)上.日本臨牀社,pp 185-188, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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