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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻3号

2015年03月発行

文献概要

今月の主題 胃癌範囲診断における拡大観察のピットフォール 主題研究

BLI,FICE併用拡大内視鏡による早期胃癌の範囲診断

著者: 松坂浩史1 中村典資1 兼城三由紀1 鳴尾涼子1 荒殿ちほ子1 岩田真悠子1 池田浩子1 西嶋健一1 原口和大1 河野眞司2 千々岩芳春1

所属機関: 1原三信病院消化器科 2原三信病院臨床病理部

ページ範囲:P.321 - P.330

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要旨●早期胃癌の診断において画像強調観察(IEE)の有用性は高く,範囲診断を中心に普及している.今回当科において2010年1月〜2014年8月までの間にFICEまたはBLI併用拡大観察を施行し,ESD前の術前範囲診断を行った計212病変(FICE:81,BLI:131病変)に関し,範囲診断が困難な症例の特徴を明らかにすることを目標に検討を行った.ESDを施行し,水平断端陽性となった症例は,FICE併用拡大観察において2病変(2.5%)あり,BLI併用拡大観察においては認めなかった.限られた症例数の中では,FICE,BLIで範囲診断困難な症例の特徴には迫ることができなかったが,BLIの登場で早期胃癌に対する拡大観察における微小血管構築像,表面微細構造の描出は格段に向上しており,症例を提示し解説する.

参考文献

1)藤崎順子,堀内裕介,山本智理子,他.拡大内視鏡による早期胃癌深達度診断の可能性.胃と腸 49:77-84, 2014
2)八木一芳,坂暁子,野澤優次郎,他.拡大内視鏡による早期胃癌深達度診断の可能性.胃と腸 49:86-94, 2014
3)八尾建史,長浜孝,松井敏幸,他.Narrow-band imaging併用拡大内視鏡による早期胃癌診断.Gastroenterol Endosc 53:1063-1075, 2011
4)Uedo N, Ishihara R, Iishi H, et al. A new method of diagnosing gastric intestinal metaplasia:narrow-band imaging with magnifying endoscopy. Endoscopy 38:819-824, 2006
5)八木一芳,佐藤聡史,中村厚夫,他.拡大内視鏡検査─NBI併用拡大内視鏡と“化学的”内視鏡診断.胃と腸 44:663-674, 2009
6)Kanemitsu T, Yao K, Nagahama T, et al. The vessels within epithelial circle(VEC)pattern as visualized by magnifying endoscopy with narrow-band imaging(ME-NBI)is a useful marker for the diagnosis of papillary adenocarcinoma:a case-controlled study. Gastric Cancer 17:469-477, 2014, Epub 2013 Sep 15

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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