文献詳細
文献概要
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編集後記
著者: 斉藤裕輔1
所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター
ページ範囲:P.473 - P.473
文献購入ページに移動 pT1(SM)癌に対する内視鏡治療後の追加腸切除の考慮基準は大腸癌治療ガイドラインに示されており,その妥当性は評価されているが,pT1癌に対する内視鏡治療後の経過に関連して幾つかの解決されていない問題点がある.具体的には,序説で田中も述べているように,(1)粘膜局所再発率,(2)異時性の再発率,(3)粘膜局所以外(リンパ節,遠隔転移など)の再発率,(4)再発例における生命予後,(5)再発を適切かつ効率良く発見するためのfollow up内視鏡の間隔,などが挙げられる.これらが明らかにされることを期待して本特集,「早期大腸癌内視鏡治療後の中・長期経過」が企画された.
まず,(1)の内視鏡治療の根治性に関して,上杉らは大腸癌研究会のプロジェクト研究結果から,組織学的根治基準に関して,側方断端陽性例からの再発率は6.2%,深部断端陽性例の再発率は0.6%であり,深部断端から500μm以上が安全な断端距離であることを示した.石垣らはLSTに対する内視鏡治療法に関して,ESDではEMR/EPMRに比較して再発率が有意に低いことを報告した.
まず,(1)の内視鏡治療の根治性に関して,上杉らは大腸癌研究会のプロジェクト研究結果から,組織学的根治基準に関して,側方断端陽性例からの再発率は6.2%,深部断端陽性例の再発率は0.6%であり,深部断端から500μm以上が安全な断端距離であることを示した.石垣らはLSTに対する内視鏡治療法に関して,ESDではEMR/EPMRに比較して再発率が有意に低いことを報告した.
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