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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻5号

2015年05月発行

文献概要

増刊号 早期消化管癌の深達度診断 2015 各論 咽頭・食道

食道表在癌の深達度診断─X線検査の有用性

著者: 高木靖寛1 小野陽一郎1 平井郁仁1 長浜孝1 松井敏幸1 八尾建史2 池田圭祐3 田邉寛3 太田敦子3 原岡誠司3 岩下明德3 山本聡4 前川隆文4

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科 2福岡大学筑紫病院内視鏡部 3福岡大学筑紫病院病理部 4福岡大学筑紫病院外科

ページ範囲:P.531 - P.538

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要旨●対象169病変のX線側面像所見を用いて食道表在癌の深達度診断における有用を検討した.(1)硬化像なし,(2)直線化,(3)陰影欠損に分けて,各深達度亜分類別の各側面像所見の頻度をみた結果,陰影欠損を指標としたpT1b-SM2,3癌の診断能は感度74.3%,特異度85.8%であり,従来の報告と同様に良好であった.さらに病型別に分けた感度,特異度は隆起型群が81.3%,78.6%,平坦・陥凹型群が68.4%,89.1%であり,両者の診断能に差はなかった.病変の側面像が管腔側へ凸にとなる伸展不良を示すか,直線化までにとどまるかを区別することは内視鏡的もしくは外科的治療方針の選択における有用な所見と考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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