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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻5号

2015年05月発行

文献概要

増刊号 早期消化管癌の深達度診断 2015 各論 大腸

早期大腸癌の深達度診断─通常内視鏡診断

著者: 佐野村誠1 永田信二2 川上研3 佐々木有一1 中悠1 吉田紘子1 原あずさ1 原美紀1 金泉美紗1 西岡伸1 上田康裕1 西口完二4 江頭由太郎5 廣瀬善信5 樋口和秀3

所属機関: 1北摂総合病院消化器内科 2広島市立安佐市民病院内視鏡内科 3大阪医科大学第2内科 4北摂総合病院一般・消化器外科 5大阪医科大学病理学教室

ページ範囲:P.664 - P.675

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要旨●通常内視鏡観察による早期大腸癌の深達度診断において,大腸癌研究会「内視鏡摘除の適応」プロジェクト研究班の報告では,SM浸潤度1,000μm以上の指標となる内視鏡所見は,隆起型では,緊満所見,内視鏡的硬さ,凹凸不整,粗糙,皺襞集中,ひきつれ,弧の硬化である.表面型では,それらの所見に加えて,陥凹内隆起,陥凹内凹凸,強い発赤,台状挙上,空気変形なし,易出血性が指標となる.その他,深い陥凹,結節集簇様病変における陥凹などの所見もSM深部浸潤癌を反映する所見である.

参考文献

1)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2014年版.金原出版,2014
2)斉藤裕輔,多田正大,工藤進英,他.通常内視鏡による大腸sm癌垂直浸潤距離1,000μmの診断精度と浸潤所見─大腸癌研究会「内視鏡摘除の適応」プロジェクト研究班結果報告.胃と腸 40:1855-1858, 2005
3)河野弘志,鶴田修,有田桂子,他.通常内視鏡診断の現状─色素内視鏡も含めて:内視鏡診断の基本.Intestine 13:105-111, 2009
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5)河野弘志,鶴田修,前山泰彦,他.「浸潤距離1,000μm」の問題点・矛盾点(課題)─臨床診断の問題(1):通常内視鏡を用いた内視鏡診断において.Intestine 16:142-148, 2012
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11)津田純郎,帆足俊男,松井敏幸,他.大腸sm癌の深達度診断─内視鏡的伸展不良所見とその捉えかた.早期大腸癌 2:427-433, 1998
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13)Oka S, Tanaka S, Kanao H, et al. Therapeutic strategy for colorectal laterally spreading tumor. Dig Endosc 21:S43-46, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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