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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻6号

2015年05月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例

腫瘍性疾患:胃底腺型胃癌

著者: 田中雅樹1 下田忠和2 小野裕之1 滝沢耕平1 角嶋直美1 川田登1 今井健一郎1 堀田欣一1 松林宏行1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 2静岡県立静岡がんセンター病理診断科

ページ範囲:P.745 - P.750

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疾患の概念
 胃癌の中には,正常上皮に近い分化を示し,細胞異型や構造異型に乏しく,幼若な再生上皮や腸上皮化生,腺窩上皮や胃固有腺などとの鑑別が難しい癌が存在し,低異型度分化型腺癌や超高分化腺癌などと言われている.低異型度分化型腺癌は,形質発現の観点から胃型(胃腺窩上皮型,胃固有腺型),腸型,胃腸(混合)型に分類されるが,胃固有腺型のうち,胃底腺への分化を示すものを胃底腺型胃癌と呼んでいる.胃底腺型胃癌は2000年代後半になって初めて報告された新しい疾患概念で,まだ多数例での検討はないが,Helicobacter pylori(H. pylori)陰性胃癌のひとつとして,注目を集めている1)2)

参考文献

1)Ueyama H, Yao T, Nakashima Y, et al. Gastric adenocarcinoma of fundic gland type(chief cell predominant type):proposal for a new entity of gastric adenocarcinoma. Am J Surg Pathol 34:609-619, 2010
2)八尾隆史,上山浩也,久嶋亮治,他.新しいタイプの胃癌─胃底腺胃癌:臨床病理学的特徴と発育進展様式および悪性度.胃と腸 45:1192-1202, 2010
3)Ueyama H, Matsumoto K, Nagahara A, et al. Gastric adenocarcinoma of fundic gland type(chief cell predominant type). Endoscopy 46:153-157, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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