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文献詳細

雑誌文献

胃と腸50巻6号

2015年05月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例

腫瘍性疾患:転移性胃癌─腎細胞癌

著者: 原田拓12 山野泰穂2 野村昌史1 菅井有3

所属機関: 1手稲渓仁会病院消化器病センター 2秋田赤十字病院消化器病センター 3岩手医科大学医学部病理学講座分子診断病理学分野

ページ範囲:P.759 - P.761

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疾患の概念
 他臓器の悪性腫瘍が胃に転移することはまれな事象である.しかし,近年の悪性腫瘍に対する治療法の進歩はめざましく,今後は長期生存症例が増加していくことが予想され,転移性胃癌の臨床所見の特徴を理解しておくことは非常に重要であると考えられる.
 転移性胃癌の原発巣としては悪性黒色腫,乳癌,肺癌などが多いとされている1).本稿で解説する腎細胞癌は全身に転移を来しやすい疾患ではあるが,その転移先としては肺,肝,骨,脳などが多いとされており,腎細胞癌からの胃転移は極めてまれで,転移性胃癌全体の0.65%と報告されている2)

参考文献

1)Menuck LS, Amberg JR. Metastatic disease involving the stomach. Am J Dig Dis 20:903-913, 1975
2)原岡誠司,岩下明徳,中山吉福,他.病理から見た消化管転移性腫瘍.胃と腸 38:1755-1771, 2003
3)原田拓,山野泰穂,吉川健二郎,他.ポリープ様形態を呈し内視鏡的に切除した腎細胞癌胃転移の1例.Gastroenterol Endosc 53:3529-3535, 2011
4)里見佳昭.腎癌の治療の現況と今後の課題.日泌会誌 81:1-13, 1990
5)Kok Wee L, Shyu RY, Sheu LF, et al. Metastatic renal cell cancer. Gastrointest Endosc 60:265, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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