文献詳細
文献概要
今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例
腫瘍性疾患:びまん浸潤型悪性リンパ腫
著者: 平川克哉1 中村昌太郎2 江崎幹宏3 鳥巣剛弘3 池上幸治3 松本主之2
所属機関: 1福岡赤十字病院消化器内科 2岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野 3九州大学大学院病態機能内科学
ページ範囲:P.765 - P.767
文献購入ページに移動びまん浸潤型悪性リンパ腫は,腫瘍細胞が限局性腫瘤や明らかな潰瘍を形成しないまま,胃壁の広い範囲に全層浸潤した病態であり,特徴的なX線・内視鏡所見を呈する.胃悪性リンパ腫の肉眼分類として,佐野の分類(表層型・潰瘍型・隆起型・決潰型・巨大皺襞型)1)や八尾の分類(表層拡大型・腫瘤形成型・巨大皺襞型)2)が用いられることが多いが,びまん浸潤型は巨大皺襞型のうち広範囲に浸潤したものにほぼ合致する.中村ら3)による文献報告の集計によれば,びまん浸潤型悪性リンパ腫はMALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫509例中62例(12%),高悪性度リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)261例中30例(11%)であり,比較的まれな肉眼型と言える.
参考文献
掲載誌情報