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今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例
腫瘍性疾患:成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)
著者: 宇都宮與1 徳永雅仁1 中野伸亮1 窪田歩1 竹内昇吾1 高塚祥芝1 矢野貴文2 高崎能久2 坂江清弘3
所属機関: 1慈愛会今村病院分院血液内科 2慈愛会今村病院分院消化器内科 3慈愛会今村病院分院病理診断科
ページ範囲:P.771 - P.773
文献購入ページに移動成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T-cell leukemia-lymphoma ; ATL)は,ヒトT細胞白血病ウイルスI型(human T-cell leukemia virus type I ; HTLV-1)が原因で発症する成熟型(末梢性)T細胞腫瘍である.ATLは末梢性T細胞リンパ腫であるが,容易に白血病化するので,白血病として報告された1).ATLは,Shimoyama2)によって急性型,リンパ腫型,慢性型,くすぶり型の4つの臨床病型に分類されている.
ATLにおける消化管浸潤の頻度は高いものの,病変が消化管に限局するATLは,非常にまれである.そのため,ATLの臨床病型分類には他の非Hodgkinリンパ腫のような節外性リンパ腫の概念が取り入れられていない.消化管病変を有するATLは,白血病化しているときは急性型に分類され,白血病化がなくリンパ節病変と消化管病変の場合はリンパ腫型に分類される2).一方,胃などの消化管に原発するATLもまれに報告3)されているが,リンパ節病変がなければShimoyama分類2)では急性型に入る.
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