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今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例
腫瘍性疾患:胃形質細胞腫(gastric plasmacytoma)
著者: 山崎泰史1 竹内洋司1 濱田健太1 青井健司1 松浦倫子1 金坂卓1 山階武1 赤坂智史1 鼻岡昇1 山本幸子1 東野晃治1 上堂文也1 石原立1 飯石浩康1 冨田裕彦2
所属機関: 1大阪府立成人病センター消化管内科 2大阪府立成人病センター病理細胞診断科
ページ範囲:P.775 - P.778
文献購入ページに移動髄外性形質細胞腫は骨髄以外の軟部組織にモノクローナルな形質細胞が増殖した状態であり,腫瘍性の形質細胞以外のリンパ系腫瘍細胞を混じないものと定義されている1).髄外性形質細胞腫は形質細胞腫(plasmacytoma)のうち3〜4%とまれであり,このうち胃原発性形質細胞腫は5%程度である2).一方,胃MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫は形質細胞へ分化する直前の辺縁層細胞由来のリンパ系腫瘍であり,約30%は形質細胞への分化を示すため,胃形質細胞腫と胃MALTリンパ腫は類縁疾患と考えられている3).形質細胞への分化を示す胃MALTリンパ腫は胃形質細胞腫と標準治療が異なるため鑑別が必要ではあるが,その鑑別は組織診断をもってしても難しく,両疾患はしばしば混同されている.
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