胃と腸50巻6号

2015年05月発行

今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例

腫瘍性疾患：グロームス腫瘍

著者： 宮永太門¹ 奥田俊之¹ 山田翔¹ 道傳研司¹ 服部昌和¹ 橋爪泰夫¹ 海崎泰治²

所属機関： ¹福井県立病院外科 ²福井県立病院病理診断科

ページ範囲：P.782 - P.784

疾患の概念
　グロームス腫瘍は，局所の血流や体温を調節する役割を持つ動静脈吻合叢から成る神経筋装置に由来する．一般に四肢末端の皮下に発生する有痛性の良性腫瘍として知られているが，まれに胃，食道，小腸の消化管にも発生する．医中誌で調べた結果，本邦では2014年末までに94例の報告がある，比較的まれな疾患である．

参考文献

1）北村祥貴，海崎泰治，宮永太門，他．胃glomus腫瘍の1例．胃と腸 46：1397-1402, 2011

2）高木誠，小柳一夫，俵英之，他．EUS-FNABで術前診断し腹腔鏡下に切除した胃Glomus腫瘍の1例．Pro Dig Endosc 78：98-99, 2011

3）岩下明徳，尾石樹泰，八尾隆史，他．腸管の血管性病変の病理学的鑑別診断．胃と腸 35：771-784, 2000

4）Folpe AL, Brems H, Legius E. Glomus tumours. In Fletcher CDM, Bridge JA, Hogendoorn PCW, et al（eds）. WHO classification of tumours of soft tissue and bone. IARC Press, Lyon, pp116-117, 2013

5）杉野達也，八木啓一，呉教東，他．出血性ショックを呈した胃Glomus腫瘍の1例．臨外 47：267-270, 1992