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文献概要
今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例
非腫瘍性疾患:胃梅毒
著者: 高橋亜紀子1 小山恒男1
所属機関: 1佐久総合病院佐久医療センター内視鏡内科
ページ範囲:P.785 - P.787
文献購入ページに移動梅毒は性感染症のひとつで,感染から3か月までの第1期では,陰茎・外陰部の初期硬結,硬性下疳,所属リンパ節腫脹を来す.感染から3か月〜3年経過した第2期では,第1期の症状が消退し,皮膚紅斑やバラ疹の他,胃腸炎などが出現する.感染から3〜10年経過した第3期では,結節性梅毒疹,ゴム腫,大動脈炎が出現し,感染から10年以上経過した第4期では大動脈瘤,進行麻痺,脊髄癆,難聴,視力障害を来す.
第2期ではスピロヘータ血症と,その代謝産物に対する血管アレルギーにより皮疹が形成される.これと同様の機序で,胃粘膜に粘膜疹が形成されると考えられている1)2).
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