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文献概要
今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例
非腫瘍性疾患:潰瘍性大腸炎の上部消化管病変
著者: 横山純二1 本田穣1 竹内学1 佐藤祐一2 小林正明3 渡辺英伸4 寺井崇二1
所属機関: 1新潟大学医歯学総合研究科消化器内科学分野 2新潟大学医歯学総合病院光学医療診療部 3新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院消化器内科 4PCL ジャパン病理・細胞診センター
ページ範囲:P.798 - P.800
文献購入ページに移動潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)はこれまで,術後の回腸囊炎やbackwash ileitisを除いて大腸に限局した炎症性腸疾患と考えられてきた.しかし近年になり,胃や十二指腸など上部消化管にも病変を合併した報告が増加している1)〜4).これらの病変はDUMI(diffuse ulcerative upper-gastrointestinal mucosal inflammation)5),UGDL(ulcerative gastroduodenal lesion)6)7)やGDUC(gastro-duodenitis with ulcerative colitis)8)などと呼ばれ,大腸炎に類似した胃・十二指腸粘膜のびまん性炎症で,UCと共通の免疫学的機序が発症に関与していると考えられている.さらにカプセル内視鏡(capsule endoscopy ; CE)や小腸バルーン内視鏡の発達により小腸病変の報告も散見されるようになっており9),UCや術後pouchitisの病態解明に向け関心が高まっている.
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