文献詳細
文献概要
今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例
非腫瘍性疾患:Cronkhite-Canada症候群の胃病変
著者: 森下寿文1 蔵原晃一1 八板弘樹1 渡邊隆1 河内修司1 長末智寛1 久能宣昭1 阿部洋文1 原田英1 岩㟢一秀1 大城由美2 小林広幸13 江崎幹宏4 渕上忠彦1
所属機関: 1松山赤十字病院胃腸センター 2松山赤十字病院病理診断科 3福岡山王病院消化器内科 4九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
ページ範囲:P.806 - P.809
文献購入ページに移動Cronkhite-Canada症候群(Cronkhite-Canada syndrome ; CCS)は1955年にCronkhiteとCanada1)によって初めて報告された,消化管ポリポーシスに脱毛,皮膚色素沈着,爪甲異常など外胚葉系の消化管外病変を伴う非遺伝性疾患である.その頻度はまれであるが,本邦からの報告が多く,全世界の3/4以上を占める.発症は中年以降に多く,やや男性が多い2)3).
CCSの病因は不明であるが,発症誘因として身体的疲労,精神的ストレス,感染,薬剤や自己免疫疾患などが想定されている3).病態としては,消化管ポリポーシスと炎症性変化によって蛋白漏出性胃腸症と吸収障害が惹起される.本疾患は初発症状から,I型:下痢,II型:味覚異常,III型:脱毛・爪甲異常,IV型:食欲不振・全身倦怠感の4型に分類されるが,下痢を主徴とするI型が約60%と最頻であり,重度の栄養障害を伴うことが多い4).
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