文献詳細
文献概要
今月の主題 知っておきたいまれな胃疾患 主題症例
非腫瘍性疾患:若年性ポリポーシスの胃病変
著者: 鳥谷洋右1 安孫子幸人12 千葉俊美1 永塚真3 上杉憲幸3 菅井有3 松本主之1
所属機関: 1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野 2盛岡赤十字病院消化器科 3岩手医科大学医学部病理診断学講座
ページ範囲:P.810 - P.813
文献購入ページに移動若年性ポリポーシス(juvenile polyposis ; JPs)は,消化管に過誤腫である若年性ポリープ(juvenile polyp ; JP)が多発するまれな疾患である.1964年にMcCollら1)が大腸に多発する若年性ポリープを認める症例を報告して以降,本疾患は現在,大腸限局型(juvenile polyposis coli),胃限局型(gastric juvenile polyposis),全消化管型(generalized juvenile polyposis)に分類されている.
弧発性の症例の報告2)もあるが,常染色体優性遺伝を示す家族性の症例が報告されており3),遺伝子変異としてはSMAD4もしくはBM-PR1A遺伝子変異の関与が知られている.特に,SMAD4遺伝子変異を認める症例では形質発現が顕著となることが知られている4)5).胃限局型のJPsでは高率に胃癌を合併することが知られており6),慎重な臨床対応を要する.
参考文献
掲載誌情報