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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻1号

2016年01月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

盲腸に発生した神経節細胞腫の1例

著者: 吉井新二1 間部克裕2 藤田昌宏3 丹羽美香子1 松本美櫻1 羽場真1 川本泰之1 横山朗子1 赤倉伸亮1 高桑康成4 佐藤昌明4 佐藤利宏3

所属機関: 1NTT東日本札幌病院消化器内科 2北海道大学病院光学医療診療部 3PCL札幌病理・細胞診センター 4NTT東日本札幌病院臨床検査科

ページ範囲:P.117 - P.123

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要旨●患者は50歳代,男性.便潜血反応陽性のため大腸内視鏡を施行した.盲腸に表面平滑な隆起性病変を認めた.色素撒布像で隆起の周辺に無名溝が消失した領域があり,その境界は不明瞭であった.NBI拡大観察で隆起頂部には深部から表層に向かって走行する拡張・蛇行した血管が観察された.クリスタルバイオレット染色像で同部位はI型pitが観察され,窩間部は開大しており,上皮下腫瘍と考えられた.確定診断を目的としてprecutting EMRを施行した.病理組織学的には主に粘膜固有層内に紡錘形細胞が増殖し,またその中に神経節細胞の混在もみられ,神経節細胞腫と診断された.上皮下腫瘍の形態を呈した神経節細胞腫の1例を経験したので,その内視鏡検査所見を検討し,報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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