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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻10号

2016年09月発行

文献概要

今月の主題 表在型Barrett食道癌の診断 主題

表在型Barrett食道癌の内視鏡診断─深達度診断

著者: 吉永繁高1 小田一郎1 田中優作1 高丸博之1 山田真善1 阿部清一郎1 野中哲1 鈴木晴久1 斎藤豊1 片井均2 関根茂樹3

所属機関: 1国立がん研究センター中央病院内視鏡科 2国立がん研究センター中央病院胃外科 3国立がん研究センター中央病院病理科

ページ範囲:P.1311 - P.1320

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要旨●通常内視鏡検査における表在型Barrett食道癌の深達度診断において重要なことは肉眼型,大きさ,硬さなどである.広基性の0-Is型に有意にSM癌が多く,くびれがあり基部の狭い0-Ip型においてはほとんどがM癌である.平坦型である0-II型においてはM癌が多いが,病変内に色調の差や陥凹,びらん,潰瘍を伴っている場合には一段深い可能性を考えるべきである.画像強調内視鏡検査は現状では深達度診断に有用であるとは言えず,超音波内視鏡検査も病変が食道胃接合部に存在するため技術的に描出困難なことが多い.そのため,各々単独の検査ではなく通常内視鏡検査と合わせて診断をする必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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