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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻10号

2016年09月発行

文献概要

今月の主題 表在型Barrett食道癌の診断 主題研究

表在型Barrett食道癌の扁平上皮下進展

著者: 平澤大12 山形拓3 前田有紀3 原田喜博3 大平哲也3 鈴木憲次郎3 小池良樹3 嶋田奉広3

所属機関: 1仙台厚生病院消化器内科 2元 仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科 3仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科

ページ範囲:P.1334 - P.1343

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要旨●Barrett腺癌は時に正常の扁平上皮下へと側方進展し(BCUS),癌が表層に露出していないため内視鏡による範囲診断が困難となる.BCUSの内視鏡所見として,WLIでは淡い発赤,NBIでは淡い茶色変化などが挙げられるが,時に不十分である.1.5%酢酸を撒布すると,BCUSはそれまで視認されなかった淡い白色変化(SWS)が観察される.病理組織では酢酸撒布で所見が得られた領域に一致して扁平上皮下の癌腺管が表層へと開口する像(rising gland)が観察される.本稿ではBarrett腺癌の扁平上皮下進展部の内視鏡的特徴であるSWSに関して自験例をもとに解説する.

参考文献

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4)山形拓,平澤大,藤田直孝,他.Barrett腺癌の扁平上皮下伸展部の内視鏡診断─白色光,NBI,1.5%酢酸撒布法.消内視鏡 23:2148-2152, 2011
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8)郷田憲一,小田一郎,大前雅実,他.Barrett食道表在癌の内視鏡診断─他施設アンケート調査.Gastroenterol Endosc 55:919, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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