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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻10号

2016年09月発行

文献概要

今月の主題 表在型Barrett食道癌の診断 主題症例

炎症性ポリープとの鑑別が困難であった表在型Barrett食道癌の1例

著者: 藤原純子1 門馬久美子1 堀口慎一郎2 藤原崇3 立石陽子24 比島恒和2

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科 2がん・感染症センター都立駒込病院病理科 3がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科 4横浜市立大学病態病理学

ページ範囲:P.1360 - P.1365

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要旨●背景粘膜に逆流性食道炎を伴うSSBE内に発生した0-I+IIb病変である.内視鏡的には積極的に癌を疑う所見が捉えられず,炎症性ポリープと診断したが,生検にて腫瘍の可能性を指摘され,全生検を目的にESDを施行した.病理学的に,0-I部分は炎症性ポリープとBarrett食道癌が混在する像で表層はびらんや肉芽組織で覆われており,口側のIIb部分は扁平上皮下を腺癌が進展する像をとっており,腫瘍の露出を認めず,癌としての診断には生検診断のみが有用であった.

参考文献

1)河田奈都子,上堂文也,石原立,他.腺癌と鑑別を要する食道胃接合部病変.胃と腸 44:1188-1196, 2009
2)小沢俊文,佐藤暁,渡辺秀紀,他.食道pyogenic granulomaの1例.胃と腸 42:1283-1289, 2007
3)新井俊文,門馬久美子,川田研郎,他.食道に発生したpyogenic granulomaの1例.胃と腸 41:983-989, 2006
4)竹内学,渡辺玄,小林正明,他.表在型Barrett食道腺癌の範囲診断─拡大観察の有用性と限界.消内視鏡 26:555-563, 2014
5)小沢俊文,長南明道,安藤正夫,他.特異な形態を呈したhamartomatous inverted polypの1例.胃と腸 35:965-970, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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