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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻12号

2016年11月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の上皮性腫瘍 主題

十二指腸上皮性腫瘍の内視鏡診断─内視鏡的スクリーニングと通常観察──私はこうしている

著者: 落合康利1 木口賀之1 光永豊1 飽本哲兵1 藤本愛1 前畑忠輝1 西澤俊宏1 後藤修1 矢作直久1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門

ページ範囲:P.1529 - P.1534

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要旨●近年になり内視鏡技術の向上,機器の進歩および内視鏡医の認知度の上昇により十二指腸病変の報告が増えてきている.病変の拾い上げにはスクリーニング検査が重要であり,検査技術の向上も不可欠である.検査の際にまずは十二指腸の解剖学的特性を理解し,適切な前処置,スコープ選択をする必要がある.そのうえで鎮静剤の使用を考慮する.進行した十二指腸病変に対する治療は部位によって治療難易度や侵襲が大きくなることがある.想定される十二指腸病変の特徴をよく理解したうえで,適切な手順で見落としのない検査を行うことが重要である.部位的に頻度の高い疾患ではないため,今後は症例を集約することで診断学・治療方針の確立などを行っていくことが急務であると考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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