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今月の主題 狭窄を来す小腸疾患の診断 主題症例
非特異性多発性小腸潰瘍症(chronic enteropathy associated with SLCO2A1;CEAS)
著者: 細江直樹1 久松理一2
所属機関: 1慶應義塾大学病院内視鏡センター 2杏林大学大学院医学研究科第三内科学
ページ範囲:P.1724 - P.1726
文献購入ページに移動患者は40歳代,女性.10歳代より貧血,低蛋白血症を認め,十二指腸潰瘍で幽門側胃切除歴あり.
家族歴:弟は皮膚骨膜肥厚症,小腸潰瘍症(詳細不明),妹は非特異性多発性小腸潰瘍症(chronic enteropathy associated with SLCO2A1;CEAS)(SLCO2A1遺伝子変異陽性).
血液検査値:ヘモグロビン値8.6g/dl,アルブミン値1.9g/dl.
精査のため施行した小腸X線造影検査(❶)で下部回腸に多発する狭窄,斜走する潰瘍瘢痕を認めた.バルーン小腸内視鏡検査(❷〜❹)では,下部回腸に偽憩室様所見,斜走する浅い多発潰瘍を認めた.臨床経過,家族歴,諸検査所見および,SLCO2A1遺伝子変異陽性であることから(❺,❻),CEASと診断し経過観察を行っている.
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