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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻2号

2016年02月発行

文献概要

今月の主題 まれな食道疾患の鑑別診断

症例 ─隆起を主体とする非上皮性病変の特徴と鑑別─食道MALTリンパ腫

著者: 高橋亜紀子1 小山恒男1

所属機関: 1佐久総合病院佐久医療センター内視鏡内科

ページ範囲:P.194 - P.196

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症例の特徴
 60歳代,男性.嚥下時のつかえ感を自覚したため,EGD(esophagogastroduodenoscopy)を施行したところ,上部食道に,表面平滑な隆起性病変を長軸方向に数条認め,巨木様隆起を呈していた.下部食道に進むにつれ,さらに内腔を占居していたが,スコープは通過可能であった.反転観察像にて,病変は噴門部にまで進展していた.ヨード染色にて隆起部は染まっており,表層は非腫瘍で覆われていた.超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography ; EUS)にて,高エコーと低エコーが混在した腫瘤を2/5〜3/5層に認めた.ボーリング生検にて,小型〜中型で核異型の乏しいリンパ球類似細胞の集簇を認めた.免疫組織化学染色像では,CD3陰性,CD5陰性,CD20陽性,Bcl-2陽性,cyclin D1陰性,Ki-67 label index 16%であり,MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫と診断した1)

参考文献

1)小山恒男,高橋亜紀子.食道の悪性リンパ腫.胃と腸 49:820-822, 2014
2)Herrmann R, Panahon Am Barcos MP, et al. Gastrointestinal involvement in non-Hodgkin's lymphoma. Cancer 46:215-222, 1980
3)後藤充,岡本美穂,村上雅則,他.食道原発MALTリンパ腫の1例.胃と腸 40:380-384, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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