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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻2号

2016年02月発行

文献概要

今月の主題 まれな食道疾患の鑑別診断

主題 狭窄・拡張を示す病変の特徴と鑑別

著者: 島田英雄1 西隆之1 田島隆行1 新田美穂1 千野修2 葉梨智子2 山本壮一郎3 名久井実4 宇田周司3 數野暁人4 小熊潤也4 小澤壯治4 幕内博康5

所属機関: 1東海大学医学部付属大磯病院外科 2東海大学医学部付属東京病院外科 3東海大学医学部付属八王子病院消化器外科 4東海大学医学部消化器外科 5東海大学医学部付属病院

ページ範囲:P.211 - P.222

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要旨●食道狭窄は種々の要因により発症し,通常は“悪性狭窄と良性狭窄”または“機能的狭窄と器質的狭窄”に分類されることが多い.悪性狭窄では食道癌によることが最も多いが,肺癌や乳癌の食道転移や縦隔リンパ節転移また食道浸潤による狭窄例もある.良性狭窄には逆流性食道炎,腐食性食道炎,内視鏡治療後の狭窄などの器質的狭窄と,食道アカラシアを代表とする各種の食道運動機能障害による機能的狭窄が挙げられる.その他,食道webや先天性食道狭窄症もある.これら食道狭窄に対しては,まず内視鏡検査,X線造影検査が先に行われるが,確定診断には総合的なアプローチが要求される.

参考文献

1)日本食道学会(編).臨床・病理 食道癌取扱い規約,10版補訂版.金原出版,2008
2)島田英雄,幕内博康,西隆之.4型食道癌.消内視鏡 26:1746-1747, 2014
3)門馬久美子,藤原純子,加藤剛,他.隆起型食道腫瘍の鑑別診断─内視鏡の立場から.胃と腸 48:292-307, 2013
4)日本消化器病学会(編).胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン,南江堂,2009
5)香川隆男,末岡伸夫,山岡進,他.腐食性薬物による上部消化管病変の臨床的および基礎的検討.Prog Dig Endosc 28:97-101, 1986
6)Rosenow BC, Bernatz PE. Chemical Burns of the Esophagus. The Esophagus. Lea and Febiger, Philadelphia, p141, 1974
7)日本食道学会(編).食道アカラシア取扱い規約,4版.金原出版,2012
8)Inoue H, Minami H, Kobayashi Y, et al. Peroral endoscopic myotomy(POEM)for esophageal achalasia. Endoscopy 42:265-271, 2010
9)Chon YE, Hwang S, Jung KS, et al. A case of esophageal intramural pseudodiverticulosis. Gut Liver 5:93-95, 2011
10)須藤一雄,藤田信行.Esophageal webの管見─47例の報告と成因に関する文献的考察.臨放 25:1269-1277, 1980
11)Hanaoka N, Ishihara R, Takeuchi Y, et al. intralesional steroid injection to prevent stricture after endoscopic submucosal dissection for esophageal cancer:a controlled study. Endoscopy 44:1007-1011, 2012
12)日本食道学会(編).食道癌診断・治療ガイドライン,2012年4月版.金原出版,2012
13)幕内博康.狭窄をきたす病変の鑑別診断のポイント.消内視鏡 26:1720-1723, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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