胃と腸51巻3号

2016年03月発行

今月の主題 知っておきたいまれな大腸悪性腫瘍 主題研究

まれな大腸悪性腫瘍の臨床統計

著者： 小澤平太¹ 固武健二郎¹² 穂坂美樹¹ 平田玲¹ 藤田伸¹

所属機関： ¹栃木県立がんセンター外科 ²大腸癌研究会大腸癌全国登録委員会

ページ範囲：P.325 - P.330

要旨●本邦におけるまれな大腸悪性腫瘍の現状を把握することを目的として，大腸癌研究会が実施している大腸癌全国登録に登録された症例の組織型と臨床病理学的因子および予後を調査した．1995〜2004年に登録された組織型が判明している全悪性腫瘍51,575例のうち非上皮性腫瘍は0.2％（117例）のみであり，上皮性腫瘍の中では高分化腺癌（45.7％）と中分化腺癌（45.3％）を併せたいわゆる分化型腺癌が大部分を占め，腺癌以外の悪性上皮性腫瘍は0.5％未満（246例）の頻度であった．これら登録件数が少ない腫瘍のうち，カルチノイドを含む内分泌腫瘍と類基底細胞癌を除く上皮性悪性腫瘍を対象として臨床病理学的特徴と予後を概観した．

参考文献

1）大腸癌研究会（編）．全国大腸癌登録調査報告，第1号〜第30号．1985〜2012