icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻3号

2016年03月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたいまれな大腸悪性腫瘍 主題症例

転移性大腸腫瘍(肺癌)

著者: 山野泰穂1 宮島正行2 松下弘雄1 吉川健二郎1 高木亮1 原田英嗣1 田中義人1 中岡宙子1 吉田優子1

所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター 2長野赤十字病院第1消化器内科

ページ範囲:P.366 - P.372

文献購入ページに移動
疫学
 転移性大腸腫瘍は全大腸腫瘍の0.1〜1%と報告されており1),その原発臓器に関して原岡ら2)は剖検資料による検討では,胃が19.90%と最も多く,次いで膵が11.23%,肺が7.52%,大腸が7.41%,卵巣が5.97%と続き,以下,肝・肝内胆管,胆囊,子宮頸部,膀胱,前立腺,子宮体部,食道,乳房,肝外胆管と報告している.また,二宮ら3)は転移率が高い悪性腫瘍の原発部位は,卵巣が30.5%,腹膜・腸間膜が25%,子宮体部が21.5%,虫垂が21%,子宮頸部が21%であり,大腸における転移先は横行結腸,S状結腸,直腸で80%と報告している.

参考文献

1)Balthazar EJ, Rosenberg HD, Davidian MM. Primary and metastatic scirrhous carcinoma of the rectum. AJR Am J Roentgenol 132:711-715, 1979
2)原岡誠司,岩下明徳,中山吉福.病理から見た消化管転移性腫瘍.胃と腸 38:1755-1771, 2003
3)二宮風夫,久部高司,別府孝浩,他.他臓器癌の直接浸潤による転移性大腸癌の2例.胃と腸 45:1823-1828, 2010
4)井上彰浩,牛尾恭輔,増成暁,他.下部消化管非上皮性腫瘍─非上皮性腫瘍と鑑別の必要な疾患:管外性腫瘍の浸潤.早期大腸癌 12:71-78, 2008
5)津島瑞穂,松尾潔,水田真琴,他.大腸穿孔にて発症した肺原発多形癌の1例.日呼吸会誌 47:507-511, 2009
6)梁英富,酒井洋,池田徹,他.肺癌における消化管転移の検討.日胸疾患会誌 34:968-972, 1996
7)平賀裕子,安井弥,熊本隆,他.多発するびらん様微小陥凹病変を呈した転移性大腸印環細胞癌の1例.日消誌 99:53-56, 2002
8)清水誠治,福田亘,三原美香,他.下部消化管非上皮性腫瘍─非上皮性腫瘍と鑑別の必要な疾患:転移性大腸癌.早期大腸癌 12:66-70, 2008
9)岩下生久子,牛尾恭輔,岩下明徳,他.消化管への転移性腫瘍の診断.胃と腸 39:647-662, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら