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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻5号

2016年05月発行

文献概要

増刊号 消化管拡大内視鏡診断2016 主題 咽頭・食道

中・下咽頭・喉頭病変の拡大内視鏡像

著者: 田中雅樹1 角嶋直美1 滝沢耕平1 川田登1 小野裕之1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科

ページ範囲:P.545 - P.553

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要旨●上部消化管スクリーニング検査時に,咽頭・喉頭領域を観察することの重要性が広く認知されるようになり,内視鏡医がこれらの領域の病変を発見する機会も増加している.観察時にヨード撒布のできない咽頭・喉頭では,NBIをはじめとする画像強調機能を有する拡大内視鏡が現時点で最も優れた観察ツールであり,病変の拾い上げから質的診断まで可能である.咽頭癌・喉頭癌の多くは食道と同じ扁平上皮癌であり,腫瘍・非腫瘍の鑑別には食道癌の診断学を適応可能であると考えるが,拡大内視鏡検査による血管分類を用いた深達度診断の有用性については,より多数例での検討が必要だと考えられた.

参考文献

1)永井鑑,川田研郎,西蔭徹郎,他.食道癌に重複する下咽頭表在癌の診断と治療.消内視鏡 15:423-429, 2003
2)大森泰,川浦光弘,横山顕.中・下咽頭表在癌の内視鏡診断と治療.日気管食道会報 53:167, 2002
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7)土橋昭,郷田憲一,廣岡信一,他.咽頭・喉頭のリンパ腫.胃と腸 49:816-817, 2014
8)川久保博文,大森泰,平岩訓彦,他.良性との鑑別が困難であった下咽頭表在癌の1例.胃と腸 47:393-401, 2012
9)門馬久美子,藤原純子,加藤剛,他.咽頭表在癌の深達度診断.胃と腸 50:515-529, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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