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著者: 小林広幸1
所属機関: 1福岡山王病院消化器内科
ページ範囲:P.981 - P.981
文献購入ページに移動まず,主題論文の前半で,本邦では2007年から保険収載されたCEを取り上げた.CEは非侵襲的かつ簡便な検査法であり,最も早くから実用化された小腸CEの画質や解析ソフトの向上はめざましい.パテンシーカプセルの登場により,すべての小腸疾患が保険適用となったことやバルーン小腸内視鏡が検査に時間を要し侵襲的であることから,今や小腸疾患が疑われる際には第一選択といっても過言ではない.ただし,国産メーカーではいまだ保険適用疾患が限定されていること,通過速度の速い十二指腸・上部空腸病変や粘膜異常のない憩室・粘膜下腫瘍の見落としなどがピットフォールとして指摘されている.一方,一昨年より保険収載された大腸CEは,高コスト,前処置,適応,読影などの課題が多く,低コスト・短時間で挿入観察可能な従来の大腸内視鏡検査を超えるスクリーニング検査となるには程遠いのが現状であり,今後も超えるべきハードルは高い.なお,欧州では既に食道CEが実用化されており,本邦でも日本人に多い胃癌診断のスクリーニングとして管腔の広い胃内での磁気誘導操作による胃CEの開発も進められている.また,別項のトピックスで取り上げたが,一度の検査ですべての消化管を観察する長時間撮影可能なリチウムイオンバッテリー搭載の全消化管CEの開発も進められている.
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