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雑誌目次

雑誌文献

胃と腸51巻8号

2016年07月発行

雑誌目次

今月の主題 消化管疾患と皮膚病変 序説

消化管疾患と皮膚病変

著者: 清水誠治

ページ範囲:P.987 - P.988

 皮膚(外胚葉由来)と消化管(内胚葉由来)は,生体にとって外界に接しているという点で共通しているが,表面積は消化管が皮膚の100倍以上とされている.古くから皮膚は内臓の変化を映す鏡であると表現されてきた.“デルマドローム(dermadrome)”という言葉は米国のKurt Wienerの造語である1).文字通りには“皮膚徴候”であるが,全身疾患と関連して現れる皮膚病変を意味し,皮膚病変を手がかりとして全身性疾患や内臓に潜在する病変を診断することを意図したものである.Wienerは“dermadrome”をさらに“specific dermadrome”と“non-specific dermadrome”に分類した.前者は他臓器の病変を直接反映する皮膚病変であり,癌の皮膚転移,白血病の皮膚浸潤,皮膚結核が含まれる.後者は間接的に反映する反応性皮膚病変であり,瘙痒,発汗,紅斑,色素沈着,多毛,アレルギー性炎症,角化などである.この概念は網羅性をもたせようとしたためにかえって意味が薄れてしまったようで,欧米では死語となって久しい.しかし,語感が日本人好みであったためか,本邦でデルマドロームという言葉が主に内臓疾患の存在を疑う皮膚徴候を意味する言葉としてなお生き残っている.三橋2)はデルマドロームを直接デルマドロームと間接デルマドロームに分類し,前者は内臓病変が皮膚に直接波及して生じる病変(癌の転移など),後者は直接の因果関係がみられないもの(腫瘍随伴症候群など)と定義している.
 実際,消化管と皮膚の両方に病変がみられる場合にはさまざまな状況が考えられる.消化管病変と皮膚病変の併存に関しては既に井上3)が分類を試みており,①消化器と皮膚を選択的に侵す群,②系統的疾患の部分症として消化器と皮膚を侵す群,③皮膚病変が原因で二次的に消化管病変を生ずる群,④消化管病変が原因で二次的に皮膚病変を生ずる群の4群に分けている.しかし,これらに該当しない状況が存在するため場合分けについて再考してみた.

主題

消化管悪性腫瘍に伴うデルマドローム

著者: 成澤寛

ページ範囲:P.989 - P.997

要旨●デルマドロームという言葉は一般的に用いられているが,本邦でしか使われていない.“内臓病変の存在を示す皮膚の症候である”として理解および説明するときには便利な用語である.皮膚と内臓病変との関連性を理解しておけば,背景にある内臓病変の存在を疑うことができるという大きな利点がある.また,皮膚病変と内臓病変の関連性において,多くはどのような悪性腫瘍の頻度が高いかが知られているので,網羅的に全身検索を行うというより,優先的に進めるべき検査が上がってくる.したがって,両者の関連性を理解することが実地診療上有益となる.

消化管ポリポーシスの皮膚病変

著者: 平野敦士 ,   梅野淳嗣 ,   前畠裕司 ,   鳥巣剛弘 ,   森山智彦 ,   松本主之 ,   江﨑幹宏

ページ範囲:P.999 - P.1008

要旨●皮膚病変を呈する代表的な消化管ポリポーシスについて概説した.消化管ポリポーシスのうち,家族性大腸腺腫症(FAP),Peutz-Jeghers症候群(PJS),Cowden症候群(CS),Cronkhite-Canada症候群(CCS),若年性ポリポーシス/遺伝性出血性末梢血管拡張症複合症候群(JPs-HHT)には特徴的な皮膚病変が出現する.FAPでは類表皮囊胞や脂肪腫,PJSでは四肢末端と口唇・口腔内粘膜の色素斑,CSでは顔面丘疹,口腔内乳頭腫と四肢末端の角化性皮疹,CCSでは脱毛,爪甲異常や皮膚の色素沈着,JPs-HHTでは皮膚粘膜の毛細血管拡張が代表的な皮膚病変である.消化管ポリポーシスでは消化管外徴候を伴う疾患が多く,皮膚・粘膜病変の診察所見が診断契機となる場合もあるため,これらの所見を熟知しておくことが重要である.

炎症性腸疾患,Behçet病の皮膚病変

著者: 樋口哲也 ,   鈴木康夫

ページ範囲:P.1009 - P.1018

要旨●潰瘍性大腸炎とCrohn病に代表される炎症性腸疾患(IBD)はさまざまな腸管外合併症を伴うことが多く,なかでも壊疽性膿皮症や結節性紅斑などの特徴的な皮膚病変を伴う.またBehçet病でも診断において重要な皮膚病変を伴う.これらの皮膚病変からIBDやBehçet病の診断に至ることもある一方,消化器病変の病勢に並行しない皮膚病変もあり,皮膚症状の把握については,消化器科診療において注意深い観察が必要である.皮膚病変の治療にあたりステロイド内服などの全身療法が必要になる場合もあるので,皮膚科医との連携が重要である.

膠原病・血管炎の消化管病変と皮膚病変

著者: 田中貴英 ,   蔵原晃一 ,   南満芳 ,   大城由美 ,   原田英 ,   八板弘樹 ,   花山雅一 ,   阿部洋文 ,   川崎啓祐 ,   岡本康治 ,   梅野淳嗣 ,   前畠裕司 ,   江﨑幹宏 ,   渕上忠彦

ページ範囲:P.1019 - P.1030

要旨●膠原病と血管炎の消化管病変と皮膚病変を抄出した.これら希少難治性疾患は多彩な消化管病変を呈するが,非特異的な所見にとどまることが多い.一方,皮膚病変は,出現頻度が高く,病変確認が容易なうえ,生検による血管炎の診断感度が高い.膠原病とIgA血管炎の診断とANCA関連血管炎などの病態評価には,消化管病変の評価に加えて,各疾患に特徴的な皮膚病変の確認と皮膚生検施行が重要である.

消化管疾患に合併する皮膚疾患の病理

著者: 海崎泰治 ,   青柳裕之 ,   原季衣 ,   井波真矢子 ,   光戸勇

ページ範囲:P.1032 - P.1040

要旨●特定の内臓疾患に発現する特有の皮膚症状をデルマドロームと呼び,内臓悪性腫瘍などの疾患発見に寄与することがある.消化管と皮膚は連続しており,いずれも外界と接するため,他臓器と比較して多くのデルマドロームが認められる.消化管病変によるデルマドロームは臓器相関の観点から,①消化管と皮膚を選択的に侵す群,②系統的疾患の部分症として消化管と皮膚を侵す群,③皮膚病変が原因で二次的に消化管病変を生ずる群,④消化管病変が原因で二次的に皮膚病変を生ずる群に整理することができる.消化管疾患とそれに伴う皮膚疾患の病理を知ることで,原疾患の病態把握と適切な対応に有用であると考えられる.

主題症例

Sister Mary Joseph's Nodule

著者: 奥山祐右 ,   北市智子 ,   寄木浩行 ,   榎泰之 ,   奥山智緒 ,   永田誠 ,   浦田洋二 ,   吉田憲正

ページ範囲:P.1041 - P.1047

要旨●患者は70歳代後半,男性.臍部腫瘤の精査にて皮膚科を紹介され受診した.臍部に大きさ約20mm,暗赤色,弾性硬の結節状腫瘤を認めた.臍部皮膚生検を施行し,粘液産生を伴う高分化腺癌組織を認めた.サイトケラチンおよび粘液形質の免疫組織化学的検索に基づき,消化器癌の臍部転移を考え,腹部造影CTと上部消化管内視鏡を施行したところ,胃体上部大彎に1型進行胃癌を認めた.胃生検では臍部腫瘍と同様の高分化腺癌を認め,免疫組織化学染色の特徴も類似していたことより,進行胃癌の臍部転移(Sister Mary Joseph's Nodule)と最終診断した.約2年の比較的長期にわたり全身化学療法を継続し,診断から約25か月後に原病死した.

消化管病変を合併したvon Recklinghausen病

著者: 石橋英樹 ,   二村聡 ,   大石純 ,   谷村修 ,   冨岡禎隆 ,   古賀文二

ページ範囲:P.1048 - P.1054

要旨●患者は50歳代後半,男性.20歳代後半時に,von Recklinghausen病と診断された.検診の腹部エコー検査で小腸に異常を指摘されたため,当科へ紹介,受診となった.腹部造影CT検査で,空腸に造影効果のある径30mmの腫瘤を指摘された.小腸内視鏡検査で,上部空腸に多発性粘膜下腫瘤様隆起を認めた.腹腔鏡下空腸部分切除術を施行した.病理組織学的には,束状に増殖する紡錘形細胞から構成される腫瘍で,これらの細胞は,KITおよびCD34を発現し,核分裂像は強拡大50視野あたり5未満であった.低リスク群のGISTと診断した.以後,経過観察し,現在まで6年間,無再発である.

長期にわたり頻回の内視鏡的バルーン拡張術を要した食道慢性GVHDの1例

著者: 平山敦大 ,   伊東哲宏 ,   関口智裕 ,   中村麗那 ,   北畠央之 ,   田中景子 ,   丸山康弘 ,   岡村卓磨 ,   岩谷勇吾 ,   北原桂 ,   古賀弘志 ,   中澤英之 ,   伊藤俊朗 ,   太田浩良 ,   菅智明

ページ範囲:P.1055 - P.1060

要旨●患者は60歳代,男性.多発性骨髄腫に対し同種末梢血幹細胞移植が行われた.移植後90日ころより四肢,口腔に扁平苔癬様変化が生じ,皮膚・口腔慢性GVHDと診断した.同時期に嚥下時違和感も出現し,食道に発赤と粘膜上皮剝離を認めた.CyA,PSLを継続していたが,移植後7年目に食道入口部狭窄を認め,食道慢性GVHDと診断した.嚥下困難感のため定期的な内視鏡的バルーン拡張術が必要とされたが,食道潰瘍の改善をはかり免疫抑制治療を強化したところ,潰瘍は瘢痕化し嚥下困難感も軽快した.本例では6年にわたり計40回のバルーン拡張術が行われた.食道慢性GVHDはQOLを著しく低下させる可能性があり,定期的な内視鏡検査と早期の対応が望まれる.

抗TNF-α抗体製剤に起因する皮膚病変

著者: 中村志郎 ,   堀和敏 ,   樋田信幸 ,   飯室正樹 ,   宮嵜孝子 ,   横山陽子 ,   高川哲也 ,   上小鶴孝二 ,   河合幹夫 ,   木田裕子 ,   佐藤寿行 ,   西尾昭宏 ,   夏秋優

ページ範囲:P.1062 - P.1068

要旨●当院で2009年1月〜2015年10月までの間に抗TNF-α抗体製剤で治療した炎症性腸疾患患者1,189例(Crohn病853例,潰瘍性大腸炎336例)を対象として皮膚有害事象の発生について検討した.明らかな皮膚病変は49例(4.1%)で確認され,瘙痒症など皮膚症状のみの症例も加えた有害事象の頻度は17.0%と比較的高率であった.皮膚病変では,湿疹・発疹が最も多く,紅斑・膿皮症・皮脂欠乏性皮膚炎・帯状疱疹などがこれに次ぎ,逆説的副反応と呼ばれる乾癬様皮疹の出現(掌蹠膿疱症含め)は6例(0.5%)と海外に比べて低率であった.皮膚病変の出現による抗体製剤治療の中止率は1.4%で,皮膚病変出現例の約50%は軟膏などの局所療法の併用で抗体製剤治療を継続しえていた.

ばち指と皮膚肥厚所見を呈した非特異性多発性小腸潰瘍症の2例

著者: 梅野淳嗣 ,   江﨑幹宏 ,   河内修司 ,   蔵原晃一 ,   安川重義 ,   平井郁仁 ,   松井敏幸 ,   北園孝成 ,   松本主之

ページ範囲:P.1069 - P.1076

要旨●[症例1]患者は20歳代,男性.1歳時より難治性鉄欠乏性貧血,低蛋白血症を認めていた.X線造影検査で中部小腸に非対称性の変形・狭窄が多発しており,小腸内視鏡検査で狭小化を伴う浅い開放性潰瘍が確認された.SLCO2A1遺伝子変異を有しており,非特異性多発性小腸潰瘍症と診断した.[症例2]患者は60歳代,男性.15歳頃から貧血を指摘され,小腸切除術を施行されている.X線造影検査および内視鏡検査で中部小腸に短い狭小化と全周性の帯状の開放性潰瘍を認め,SLCO2A1遺伝子変異が確認された.2症例とも皮膚病変として,ばち指と前額部の皮膚肥厚所見を有しており,肥厚性皮膚骨膜症の徴候を伴った非特異性多発性小腸潰瘍症と診断した.

早期胃癌研究会症例

短期間に著明な形態変化を来した胃癌の1例

著者: 藤井宏行 ,   石井英治 ,   吉村茂修 ,   山内健司 ,   奥村直己 ,   小林正佳 ,   白鳥俊康 ,   鈴木健一 ,   平井満 ,   森主達夫 ,   中路聡 ,   平田信人 ,   草薙洋 ,   成田信 ,   星和栄 ,   伴慎一

ページ範囲:P.1077 - P.1083

要旨●患者は80歳代,男性.吐血を主訴に救急搬送.上部消化管内視鏡検査で前庭部大彎に周堤様の隆起を伴う平皿状の類円形潰瘍性病変を認めた.第4病日の再検では潰瘍底に深い溝状陥凹を認めた.生検でGroup 5(por2〜tub2)の診断となった.第15病日に右膝窩動脈の急性動脈閉塞症を認め治療を行った.第38病日の内視鏡検査では隆起性病変に変化していた.第58病日に幽門側胃切除術を施行.病理診断はType 5,リンパ球浸潤癌,pT1b2,ly1,v0,pN0であった.リンパ球浸潤癌が線維化に乏しく軟らかい腫瘍であったため,外力により病変が内腔側に折れ曲がり隆起型へ変化したものと思われた.

消化管組織病理入門講座・18

【大腸】鋸歯状病変

著者: 八尾隆史

ページ範囲:P.1084 - P.1090

はじめに
 大腸鋸歯状病変は,現在の過形成性ポリープ(hyperplastic polyp ; HP)を1962年Morson1)によりmetaplastic polypという用語で紹介されたのが最初で,鋸歯状構造を示す非腫瘍性の数mm大の直腸に好発する病変で,癌化の危険性はないとされていた1)〜3).そして,1990年にLongacreとFenoglio-Preiser4)により鋸歯状構造を示すが,腫瘍性病変である鋸歯状腺腫(serrated adenoma ; SA)という概念が提唱された.SAは左側大腸に好発し,癌化の危険性は管状腺腫と同等と考えられていた4)5).さらに,1996年にTorlakovicとSnover6)は,鋸歯状ポリープのうちHPやSAとは区別すべき腫瘍性のものがあると主張し,SSA(sessile serrated adenoma)という用語を用いた.その後,SSAは組織像からは腫瘍性とは判定できないことからSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)*1という名称が一般的となっている7).SSA/Pは高率にBRAF変異を有しマイクロサテライト不安定性(microsatellite instability ; MSI)*2を示す大腸癌の前駆病変として注目されている.なお,英国ではSSL(sessile serrated lesion)という名称を用いている8)
 現在のWHO分類において大腸鋸歯状病変*3は,HP,TSA(traditional SA),SSA/Pに分類され,さらにSSA/Pに粘膜内癌を含む明らかな腫瘍を併存するものはSSA/P with cytological dysplasiaという用語で表現される7).本邦の「大腸癌取扱い規約 第8版」9)もWHO分類に準じた分類を採用している.
 また,Jassら10)は形態および粘液組織化学的に鋸歯状腺腫と類似性のある癌に対して“serrated carcinoma”という言葉を初めて用いたが,Mäkinen11)のグループが鋸歯状構造を認める癌を“serrated adenocarcinoma”という概念で包括し,MSIが高率に認められ,分子生物学的因子(EphB2,PTCH,HIF1α)が通常の大腸癌と異なることより,大腸癌の一亜型として分類する意義があると報告している.WHO分類では大腸癌の組織亜型としてserrated adenocarcinoma(鋸歯状腺癌)という名称で記載されている12)
 本稿では,鋸歯状腺癌も含めたこれら大腸鋸歯状病変の病理組織学的特徴とそれらの鑑別のポイントについて解説する.

私の一冊

2015年第50巻12号「胃底腺型胃癌」

著者: 八尾隆史

ページ範囲:P.1091 - P.1091

 これまで本誌への執筆および編集に長年かかわり,多くの新知見を発信することができたと思う.また,筆者が直接かかわっていない号からも多くのことを学ばせていただいた.それらの中から“私の一冊”を挙げろと言われても無理であり,これまでこの欄の執筆を避けていた.しかし,遂にこれぞ“私の一冊”が現れた,それは「胃底腺型胃癌」である.
 胃底腺型胃癌は,2005年ころから遭遇するようになり,その後10症例の蓄積により,新しい疾患概念として成立することを確信したため,2010年に順天堂大学消化器内科から大学院生として筆者の下にやってきた上山浩也が論文としてまとめ,新しい組織型として世に発表することができた(Am J Surg Pathol 34:609-619, 2010).

早期胃癌研究会

2015年9月の例会から

著者: 八木一芳 ,   清水誠治

ページ範囲:P.1092 - P.1096

 2015年9月の早期胃癌研究会は2015年9月16日(水)に笹川記念会館2F国際会議場で開催された.司会は八木一芳(新潟県立吉田病院内科),清水誠治(大阪鉄道病院消化器内科),病理は九嶋〔滋賀医科大学医学部臨床検査医学講座(附属病院病理診断科)〕が担当した.また,セッションの間に,第21回白壁賞,および第40回村上記念「胃と腸」賞の授与式が執り行われた.

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欧文目次

ページ範囲:P.986 - P.986

「今月の症例」症例募集

ページ範囲:P.1076 - P.1076

早期胃癌研究会 症例募集

ページ範囲:P.1096 - P.1096

学会・研究会ご案内

ページ範囲:P.1097 - P.1100

次号予告

ページ範囲:P.1102 - P.1102

編集後記

著者: 松本主之

ページ範囲:P.1103 - P.1103

 本号は,皮膚病変を伴う消化管疾患の特集として企画された.皮膚疾患と消化管疾患は表皮や粘膜に“面”を形成すること,常に抗原に曝露され局所の免疫反応が病態に深く関与すること,臨床的に両者を熟知することが日常診療において極めて有用であることなどに着目した特集号である.
 皮膚病変を伴う消化管疾患は,悪性腫瘍,遺伝性疾患,炎症性疾患,膠原病・血管炎症候群に大別される.これらのうち,成澤論文では遺伝性疾患と腫瘍随伴症候群(paraneoplastic syndrome ; PS)について詳細に解説されている.特徴的な皮膚病変が示されているが,特にPSに分類される皮膚病変は消化器専門医にとってぜひ知っておくべき知見と考えられる.同論文でも詳細に解説されている消化管ポリポーシスに関しては,平野論文において消化管病変と対比しながら提示されている.いずれの皮膚病変も一度みたら忘れられない所見であるので,これらの論文をぜひ熟読いただきたい.

基本情報

胃と腸

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1219

印刷版ISSN 0536-2180

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