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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻8号

2016年07月発行

早期胃癌研究会症例

短期間に著明な形態変化を来した胃癌の1例

著者: 藤井宏行13 石井英治23 吉村茂修3 山内健司3 奥村直己3 小林正佳3 白鳥俊康3 鈴木健一3 平井満3 森主達夫3 中路聡3 平田信人3 草薙洋4 成田信5 星和栄5 伴慎一6

所属機関: 1九州医療センター消化器科 2中村クリニック 3亀田総合病院消化器内科 4亀田総合病院消化器外科 5亀田総合病院臨床病理科 6獨協医科大学越谷病院病理診断科

ページ範囲:P.1077 - P.1083

文献概要

要旨●患者は80歳代,男性.吐血を主訴に救急搬送.上部消化管内視鏡検査で前庭部大彎に周堤様の隆起を伴う平皿状の類円形潰瘍性病変を認めた.第4病日の再検では潰瘍底に深い溝状陥凹を認めた.生検でGroup 5(por2〜tub2)の診断となった.第15病日に右膝窩動脈の急性動脈閉塞症を認め治療を行った.第38病日の内視鏡検査では隆起性病変に変化していた.第58病日に幽門側胃切除術を施行.病理診断はType 5,リンパ球浸潤癌,pT1b2,ly1,v0,pN0であった.リンパ球浸潤癌が線維化に乏しく軟らかい腫瘍であったため,外力により病変が内腔側に折れ曲がり隆起型へ変化したものと思われた.

参考文献

1)濱本英剛,長南明道,中堀昌人,他.0-I型から0-IIc型に形態変化を来たした早期胃癌の1例.Gastroenterol Endosc 55:2197-2201, 2013
2)小澤俊文,和知栄子,二村聡.短期間に形態変化を来し,粘膜内病巣に複数の組織型を併存した胃内分泌細胞癌の1例.胃と腸 48:499-510, 2013
3)高砂憲一,楡井和重,加藤達洋,他.短期間に肉眼的形態変化を来たした早期胃癌の1例.Pro Dig Endosc 60:34-36, 2002
4)加藤貴司,平山眞章,町田卓郎,他.0-I型を呈したEpstein- Barr virus関連早期胃癌の1例.胃と腸 42:366-372, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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