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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻9号

2016年08月発行

文献概要

今月の主題 消化管画像プレゼンテーションの基本と実際 主題

画像診断プレゼンテーションの基本手順:小腸・大腸─炎症性疾患

著者: 松本主之1 梁井俊一1 川崎啓祐1 鳥谷洋右1 平橋美奈子2 中村昌太郎1 菅井有3

所属機関: 1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野 2九州大学大学院医学研究院保健学部門検査技術科学分野 3岩手医科大学医学部病理診断学講座

ページ範囲:P.1165 - P.1174

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要旨●小腸・大腸における炎症性疾患の画像プレゼンテーションについて,実例を提示しながら私見を述べた.腸管の炎症性疾患は外科的・内視鏡的切除に至ることは比較的少ない.したがって,臨床情報や画像所見の推移を参考としながら,生検病理所見を加味して診断を組み立てる作業が重要である.なかでも,肉眼所見の代替として充盈法,圧迫法および二重造影像を駆使した消化管X線造影検査で病変の分布や偏在性,腸間膜との関係,随伴病変を明示することが重要と思われる.一方,内視鏡検査では色素内視鏡検査の併用によるX線造影所見との対比と,微細な局所所見を要領よく提示すべきと考える.

参考文献

1)Yanai S, Nakamura S, Hirahashi M, et al. Gastrointestinal:MALT lymphoma of the small bowel accompanied by NSAID-induced enteropathy. J Gastroenterol Hepatol 27:1126, 2012
2)松本主之,檜沢一興,中村昌太郎,他.小腸の非腫瘍性疾患におけるX線検査の有用性.胃と腸 38:1005-1016, 2003
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4)Kawasaki K, Eizuka M, Murata O, et al. Eosinophilic granulomatosis with polyangiitis involving the small intestine:radiographic and endoscopic findings. Endoscopy 47:E492-494, 2015
5)岡本康治,蔵原晃一,江﨑幹宏,他.血管炎による消化管病変の臨床診断.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Churg-Strauss症候群).胃と腸 50:1372-1380, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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