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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻9号

2016年08月発行

文献概要

今月の主題 消化管画像プレゼンテーションの基本と実際 主題関連

画像所見と病理所見の対比法のコツ:大腸─真の対比は切除標本の取扱いにある

著者: 山野泰穂1 田中義人1 高木亮1 松下弘雄1 吉川健二郎1 原田英嗣1 中岡宙子1 吉田優子1 津田一範1 菅井有2

所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター 2岩手医科大学医学部病理診断学講座

ページ範囲:P.1211 - P.1217

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要旨●消化管における内視鏡診断の最終的な到達点は病理組織診断と一致することにある.内視鏡所見と病理組織像を対応させるには,①通常観察による病変全体の形態的特徴や拡大観察による表面微細構造,微細血管像の特徴を捉える.②一括切除あるいはそれに準じた形で切除を行う.③得られた標本を展翅し,ホルマリン固定を行う.④画像的特徴が反映されるように臨床医自ら,もしくは病理医へ内視鏡所見のスケッチなどを明示して標本を切り出し,プレパラートを作製する.ただし作製過程で削り落される部分のことも考慮して切り出す必要がある.地道な標本処理が診断学向上につながると考える.

参考文献

1)田中信治,樫田博史,齋藤豊,他.大腸ESD/EMRガイドライン.Gastroenterol Endosc 56:1598-1617, 2014
2)山野泰穂,松下弘雄,吉川健二郎,他.術前の質的診断および深達度診断.Intestine 19:443-451, 2015
3)八尾隆史.標本の取扱いと注意点,病理学的根治度判定.Intestine 19:489-496, 2015
4)山野泰穂.2 臨床診断に基づいた標本の処理.中村眞一(編).消化管病理標本の読み方,第2版.東京:日本メディカルセンター,pp 21-29, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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