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文献詳細

雑誌文献

胃と腸51巻9号

2016年08月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

印環細胞癌を伴う0-I型低異型度分化型胃癌の1例

著者: 角谷彰12 下立雄一1 毛利裕一1 松枝和宏1 山本博1 能登原憲司3 堀田真智子3

所属機関: 1倉敷中央病院消化器内科 2かくたに内科消化器内科 3倉敷中央病院病理診断科

ページ範囲:P.1218 - P.1229

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要旨●患者は60歳代,男性.前医のスクリーニング上部内視鏡検査で胃体上部後壁に隆起性病変を指摘されたため,当科へ紹介され受診となった.病変は当院で4年前に胃過形成性ポリープと診断したものと同一病変であったが,増大傾向がみられたために生検を施行したところ,印環細胞癌を認めた.診断的治療目的に内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)を施行し,切除標本を病理学的に検討した結果,最終的に印環細胞癌を伴った0-I型低異型度分化型胃癌と診断した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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