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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻1号

2017年01月発行

今月の主題 知っておくべき胃疾患の分類

主題

胃癌─臨床的分類

著者: 長浜隆司1 宇賀治良平1 外山雄三1 山本栄篤1 松村祐志1 浅原新吾1 宍倉有里2

所属機関: 1千葉徳洲会病院消化器内科 2千葉徳洲会病院病理診断科

ページ範囲:P.27 - P.35

文献概要

要旨●胃癌の知っておくべき臨床分類として肉眼型分類と進行度(Stage)分類について「胃癌取扱い規約第14版」ならびに「胃癌治療ガイドライン第4版」に沿って症例を提示し,また歴史的経緯については文献考察を用いて概説した.胃癌の肉眼型分類は胃癌取扱い規約により0〜5型に分類され,進行型は1962年胃癌研究会発足当時にBorrmann分類が採用,改変された1〜5型に分類され,表在型としては日本内視鏡学会の早期胃癌の肉眼分類に準じて亜分類された.その後多くの議論,改変がなされ,基本型は変わらないものの,その解釈や記載法に改変がなされ現在に至っている.進行度(Stage)分類は壁深達度(T),リンパ節転移(N),遠隔転移(M)によって分類され,これにより手術を含む各種治療法とその適応などがガイドラインによって決定される.臨床の現場においても研究においても臨床分類を十分に理解し,これに基づいて正確に分類を行うことが適切な治療方針の決定や後々の症例の解析に重要である.

参考文献

1)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,14版.金原出版,2010
2)日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン,4版.金原出版,2014
3)Borrmann R. Das Wachstum und die Verbreitungswege des Magencarcinoms vom anatomischen und klinischen Standpunkt. Gustav Fischer, Jena, 1901
4)Borrmann R. Geschwulste des Magens und Duodenums.Henke F,Lubarsch O(eds).Handbuch der speziellen pathologischen Anatomie und Histologie. Springer, Berlin, Germany. pp 865-871, 1926
5)望月孝規.胃癌のBorrmann分類とは何か─原点よりの考察.胃と腸 21:831-840, 1986
6)胃癌肉眼分類の問題点─進行癌を中心として.胃と腸 21:827-897, 1986
7)岡島邦雄.胃癌の新肉眼分類の目的と経緯.胃と腸 30:15-20, 1995
8)胃癌研究会(編).胃癌取扱い規約,改訂12版.金原出版,1993
9)田坂定孝.早期胃癌の全国集計.Gastroenterol Endosc 4:4-17, 1962
10)田坂定孝.早期胃癌肉眼分類起草10年に寄せて.胃と腸 7:433, 1972
11)村上忠重.早期胃癌の10年.胃と腸 7:434-437, 1972
12)八尾恒良.胃癌の肉眼型分類(macroscopic classification of the gastric cancer).胃と腸 47:849, 2012
13)市川平三郎.早期胃癌肉眼分類の再検討─本号の企画を担当して.胃と腸 11:11-16, 1976
14)川井啓市,市川平三郎,崎田隆夫,他.座談会:早期胃癌肉眼分類の再検討.胃と腸 11:30-56, 1976
15)UICC日本委員会TNM委員会(訳).TNM悪性腫瘍の分類 日本語版,7版.金原出版,2009
16)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,13版.金原出版,1999
17)佐野武.胃癌取扱い規約とUICC/TNM分類.外科治療 103:443-449, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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