icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻11号

2017年10月発行

文献概要

--------------------

書評「≪プリンシプル消化器疾患の臨床≫ 第1巻 食道・胃・十二指腸の診療アップデート」

著者: 浅香正博1

所属機関: 1北海道医療大学

ページ範囲:P.1440 - P.1440

文献購入ページに移動
 私が卒業したのは1972年であるが,当時からみると現在の消化器病学の進歩には本当に驚かせられる.上部消化管疾患に興味を持ってこれまで長い期間にわたって診療に従事してきたが,今日のような診療体系ができあがるなどとは考えることはできなかった.
 当時の上部消化管の診断はバリウム検査が主体であり,内視鏡検査がようやく芽吹いてきたところであった.先端カメラで視野が狭く,ファイバー繊維を通して観察するため,直視で診断することは難しく,カメラで撮った写真を皆で検討し,診断をつけていた.この時代,胃の生理学的研究をするなどほとんど考えられなかった.研究テーマとしては画像診断と病理しかなかったので,科学とは無縁の世界であると半ば公然と言われていた.確かに当時,胃潰瘍にしても,いくら薬を飲ませても本当に治らなかった.3割ぐらいは外科に回さざるを得なかったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?