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今月の主題 大腸小・微小病変に対するcold polypectomyの意義と課題 序説
cold polypectomyの意義と課題─内視鏡診断学の存亡をかけて
著者: 山野泰穂1
所属機関: 1札幌医科大学医学部消化器内科学講座
ページ範囲:P.1515 - P.1516
文献購入ページに移動 大腸癌の本邦における増加傾向は今もなお継続しており,2017年のがん統計予測では,死亡数では肺癌(78,000人)に次いで第2位(53,000人),罹患数では第1位(149,500人)と報告されているが1),その増加のスピードは肺癌を上回っている1).このような状況で癌を抑制するためには,発癌要因を排除する予防医学が求められており,既に肺癌では禁煙活動,胃癌ではHelicobacter pyloriに対する除菌治療が積極的に行われ,奏効している.
それに対して,大腸癌の発癌要因に関しては高脂肪高蛋白食の摂取,食物繊維摂取不足などが指摘されてきた経緯があったが,本邦における大腸癌の地域偏在2)をみると,決してこれらの要因だけでは説明がつかないため,その真偽のほどは定かではないと考えられる.
それに対して,大腸癌の発癌要因に関しては高脂肪高蛋白食の摂取,食物繊維摂取不足などが指摘されてきた経緯があったが,本邦における大腸癌の地域偏在2)をみると,決してこれらの要因だけでは説明がつかないため,その真偽のほどは定かではないと考えられる.
参考文献
1)国立がん研究センターがん情報サービス.2017年のがん統計予測.http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html(2017年9月27日現在)
2)国立がん研究センターがん情報サービス.都道府県別75歳未満年齢調整死亡率.http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/age-adjusted.html(2017年9月27日現在)
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