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今月の主題 大腸小・微小病変に対するcold polypectomyの意義と課題 主題
cold polypectomyの意義と課題─私はこう考える:賛成の立場から
著者: 鶴田修12
所属機関: 1久留米大学病院消化器病センター 2久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
ページ範囲:P.1598 - P.1599
文献購入ページに移動日本消化器病学会作成の「大腸ポリープ診療ガイドライン」1)では,大腸の径5mm以下の微小腺腫の取り扱いについて,①隆起性病変は経過観察も容認される(経過観察を提案する),②ただし,平坦陥凹性病変で,腺腫および癌との鑑別が困難な病変は内視鏡的摘除を提案する,と記載されている.一方,米国からは,腺腫性ポリープを内視鏡的に摘除しclean colonの状態にすれば,大腸癌罹患率および死亡率の低下をもたらすという報告が行われている2)3).
また,最近では,clean colon達成のために高周波切開凝固装置を使用せずに,生検鉗子やスネアによりポリープを切除するCP(cold polypectomy)が多くの施設で行われている.生検鉗子で行うCPをCFP(cold forceps polypectomy),スネアを用いて行うCPをCSP(cold snare polypectomy)と呼び,一般にCFPは5mm以下,CSPは5mm以下も含めた10mm未満の腫瘍性ポリープが適応となっている.さらには,5mm以下のポリープであれば癌はほとんど存在しないので組織学的検索の必要はなく,医療経済も考えると切除組織を回収しないでよい(discard)という考えも出てきている4).
以上のように,現在のところ5mm以下の腫瘍性ポリープの取り扱いについてはすべて摘除すべきか否か未決着のままである.以下にCPの利点,問題点別について述べる.
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