icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻13号

2017年12月発行

文献概要

今月の主題 咽頭・頸部食道癌の診断と治療 主題

表在型咽頭癌が形態変化を来す要因

著者: 飯塚敏郎1 菊池大輔1 田中匡実1 布袋屋修1 武田英彦2

所属機関: 1虎の門病院消化器内科 2虎の門病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.1674 - P.1683

文献購入ページに移動
要旨●表在型中・下咽頭癌が多く発見されるようになる一方で,その生物学的特徴について明らかにすることが求められている.筆者らのデータでは,自然経過で多くの症例が緩徐な発育を来し,全体として年平均4mmのサイズの増大が認められた.しかし,急速に増大した症例もあることから,少なくとも半年ごとのフォローが必要である.化学療法における反応性に関しては,奏効率が61%,病勢コントロール率は97%であり,良好な成績が得られた.生検による変化については,限られた症例であるが形態変化を来す場合が経験される.したがって,形態変化を来した部位の詳細な観察とともに,生検部位の確認は必要である.こうした動態を踏まえた表在型咽頭癌に対する適切な治療方法の選択が望まれる.

参考文献

1)Iizuka T, Kikuchi D, Hoteya S, et al. Endoscopic submucosal dissection for treatment of mesopharyngeal and hypopharyngeal carcinomas. Endoscopy 41:113-117, 2009
2)Odagiri H, Iizuka T, Kikuchi D, et al. Gastrointestinal Endoscopy-Assisted Minimally Invasive Surgery for Superficial Cancer of the Uvula. Clin Endosc 49:289-293, 2016
3)Kaneko K, Yano T, Minashi K, et al. Treatment Strategy for Superficial Pharyngeal Squamous Cell Carcinoma Synchronously Combined with Esophageal Cancer. Oncology 84:57-64, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら