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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔咽喉頭・食道〕

ヨード不染帯(unstained area of the iodine staining)

著者: 長尾知子1 藤原純子2

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科 2がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科

ページ範囲:P.549 - P.549

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定義
 ヨード液を食道内腔に撒布した際に,茶褐色に染色されず黄白色を示す部分をヨード不染帯と言う.ヨード染色は食道粘膜上皮の表層,および有棘細胞層内に蓄えられているグリコーゲンとヨウ素が反応する化学反応を利用したものである.したがって,グリコーゲンを産生する正常食道上皮が薄くなれば,染色性が低下し淡染帯となり,上皮が欠損したり,消失すれば不染帯となる.ヨード不染帯を示すものには,①病的な粘膜上皮〔上皮内癌(Fig. 1,2),粘膜癌,扁平上皮内腫瘍,hyperkeratosis,parakeratosis,食道炎などの炎症性変化〕,②粘膜上皮の欠損(びらん,潰瘍,癌組織の露出部,異所性胃粘膜),③正常粘膜(萎縮)などが挙げられる.ヨード染色は,食道癌のハイリスク群におけるスクリーニングとして必須とされてきた1)が,NBIが普及し,病変の拾い上げが比較的容易になった近年では,病変の範囲診断および癌と非癌との鑑別2)において,重要な役割を果たしている.

参考文献

1)幕内博康.食道のヨード不染帯.胃と腸 29:871-873, 1994
2)清水勇一,加藤元嗣,山本純司,他.食道ヨード不染帯の鑑別診断─癌と非癌の鑑別:内視鏡の立場から.胃と腸 41:176-182, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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