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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔咽喉頭・食道〕

epidermization

著者: 剛﨑有加1 門馬久美子1 堀口慎一郎2

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科 2がん・感染症センター都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.558 - P.558

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定義
 本来,食道上皮は非角化重層扁平上皮から成る.食道epidermization(類表皮化)は,組織学的に扁平上皮表面に厚い角化層を有するのが特徴であり,皮膚の表皮に類似していることから,このように呼ばれている.しかし,食道epidermizationに関する報告例は少なく,慢性炎症がepidermizationの形成に関与している可能性も示唆されているが,真の成因や発生頻度,自然経過などについては不明である.内視鏡的には“鱗状”あるいは“毛羽立ちを有する”白色の角化上皮が,あたかも食道粘膜に付着しているかのように観察され,ヨード染色では不染を示す1)2).境界明瞭な白色隆起を示す病変として,parakeratosis(錯角化)やhyperkeratosis(過角化)なども挙げられるが,内視鏡所見のみで鑑別することは難しく,epidermizationの診断には病理組織所見が必要である.epidermizationの組織所見(Fig.4)の特徴は,重層扁平上皮の表層に厚い角化層を有し,その直下にはケラトヒアリン顆粒を有する顆粒層を伴う点である.

参考文献

1)Nakanishi Y, Ochiai A, Shimoda T, et al. Epidermization in the esophageal mucosa:unusual epithelial changes clearly detected by Lugol's staining. Am J Surg Pathol 21:605-609, 1997
2)江副康正,武藤学,藤井誠志.食道epidermizationの2例.胃と腸 43:296-300, 2008
3)濱田健太,石原立,加藤穣,他.特異的な色調を示す病変の特徴と鑑別.胃と腸 51:228-235, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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