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文献詳細

雑誌文献

胃と腸52巻5号

2017年05月発行

文献概要

増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017 画像所見〔胃〕

幽門狭窄(pyloric stenosis)

著者: 細川治1

所属機関: 1横浜栄共済病院外科

ページ範囲:P.564 - P.564

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定義
 胃上中部が胃酸,ペプシンを含む消化液を分泌して食物の消化を行うのに対して,幽門前庭部などの下部は食物を腸に排出する機能を受け持つ.幽門狭窄とは幽門前庭部から球部の一部に狭窄を来して排出障害となり,胃内に食物が停滞した状態を表す用語である.左側臥位で内視鏡を挿入すると十分な絶食の後でも胃穹窿部から胃体部大彎にかけて食物残渣が残り,胃下部に狭小化所見が認められる.非腫瘍性としては良性潰瘍が反復した場合(Fig. 1)に認められることが多かったが,Crohn病の上部消化管病変や好酸性胃腸炎あるいは胃梅毒に伴って発生した報告もある.腫瘍性病変では進行胃癌(Fig. 2)で幽門狭窄を来すことが多いが,早期胃癌が幽門輪近傍に発生した場合にも起こりうる1).壁外からの圧排や腫瘍性病変の浸潤で狭窄を来す場合も認められる.

参考文献

1)細川治,山崎信,津田昇志,他.幽門狭窄をきたした早期胃癌症例の検討.癌の臨 36:473-480, 1990
2)佐川保,佐藤康史,高山哲治.内視鏡的粘膜下層剝離術後に幽門狭窄を来した早期胃癌の1例.Gastroenterol Endosc 49:1681-1687, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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