文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
文献概要
定義
ニッシェとは,開放性潰瘍を表現するX線造影所見である.ニッシェは,英語でniche,ドイツ語でNische,日本語では壁龕(へきがん)と訳されており,壁龕とは建物の壁に彫像や花瓶などを置くために設けられた装飾的なくぼみのことである(Fig. 1).
胃壁の一部が欠損した部分(開放性潰瘍)にバリウム造影剤が溜まって描出されるX線造影像が壁龕に似ていることから命名されており,本邦ではニッシェとして用いられている.ニッシェは,良性胃潰瘍だけでなく,潰瘍を合併する胃癌や腫瘍性病変などにもみられる1).正面ニッシェと側面ニッシェがあるが,正面ニッシェは,境界明瞭なバリウム造影剤の濃い溜まり像として正面に描出された像(Fig. 2),側面ニッシェは,胃の滑らかな辺縁から胃外側に突出した所見として側面に描出された像(Fig. 3)を言う.
ニッシェとは,開放性潰瘍を表現するX線造影所見である.ニッシェは,英語でniche,ドイツ語でNische,日本語では壁龕(へきがん)と訳されており,壁龕とは建物の壁に彫像や花瓶などを置くために設けられた装飾的なくぼみのことである(Fig. 1).
胃壁の一部が欠損した部分(開放性潰瘍)にバリウム造影剤が溜まって描出されるX線造影像が壁龕に似ていることから命名されており,本邦ではニッシェとして用いられている.ニッシェは,良性胃潰瘍だけでなく,潰瘍を合併する胃癌や腫瘍性病変などにもみられる1).正面ニッシェと側面ニッシェがあるが,正面ニッシェは,境界明瞭なバリウム造影剤の濃い溜まり像として正面に描出された像(Fig. 2),側面ニッシェは,胃の滑らかな辺縁から胃外側に突出した所見として側面に描出された像(Fig. 3)を言う.
参考文献
1)熊倉賢二.図譜による胃X線診断学─基本所見の成り立ちと読影.金原出版,pp 93-106, 1968
2)村上忠重.胃潰瘍癌に関する新しい考え方(悪性サイクル).順天堂医 13:157, 1967
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