文献詳細
増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
巨大皺襞(giant rugae)
著者: 梅垣英次1 佐野村誠2
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科消化器内科学分野 2北摂総合病院消化器内科
ページ範囲:P.573 - P.573
文献概要
巨大皺襞には明確な定義はないが,X線学的には二重造影にて皺襞幅が10mm以上を呈し,内視鏡的には十分な送気によって腫大・屈曲蛇行したひだが認められ,ひだ間の溝は狭くなる.また,ひだの屈曲蛇行所見が強くなると,大脳回転様の像を呈することもある.巨大皺襞は良悪性にかかわらずさまざまな疾患で認められ,粘膜あるいは粘膜下以深の病理学的変化に伴って形成されるが,①胃腺の肥大や過形成によるびまん性の肥厚(肥厚性胃炎,Ménétrier病,Cronkhite-Canada症候群),②粘膜間質の浮腫や種々の細胞浸潤による粘膜・粘膜下層の肥厚(悪性リンパ腫),③粘膜下層や筋層の線維性組織増生を伴う収縮(スキルス型胃癌),④漿膜側からの炎症波及(急性膵炎など),に分類される1).
参考文献
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